就業者数は停滞期に突入
―中長期人材需給の見通し
韓国雇用情報院(KEIS)は2月12日、2024年~2034年の韓国労働市場の人材需給について示す「中長期人材需給の見通し」を発表した。これによると、労働力人口は2030年から減少に転じ、2034年までに「持続可能な経済成長率(2.0%)」を達成するために追加で122万2,000人の人材が必要になると推計している。
以下で主な内容を紹介する。
2030年前後から就業者数の減少局面へ
少子高齢化の影響で生産年齢人口(15~64歳)は減少し続ける一方で、65歳以上の割合は2034年には31.7%まで増加する見通しである。労働力人口は2024年~2029年の間に34万6,000人増加するが、2030年からは減少に転じ、2029年~2034年の間に21万人減少する見通しである。
労働力率(15歳以上)は2024年以降低下する。一方で、女性と高齢層の労働力率は徐々に上昇すると予測されており、労働力構成の変化が見込まれる。
就業者数は2024年~2029年の間に36万7,000人増加するが、2029年~2034年の間に30万3,000人減少する見通しである(図)。これは、高齢化に加えてAIなどの技術革新によって需要の変化が生じているためである。2024年~2034年の就業者の年平均増加率は0.0%となり、停滞状態に入る。
図:中長期就業者数及び増減の見通し (単位:千人)

出所:韓国雇用情報院(2026)
産業別にみると、高齢化による介護需要の拡大などから、社会福祉・保健業の人材需要が最も高くなる見通しである。また、AIの普及やデジタル化によって、研究開発業やコンピュータプログラミングなどでも就業者の増加が見込まれる。反対に、オンライン化の加速によって小売業で就業者数が最も大幅に減少し、卸売業や飲食店業でも減少が見込まれる。また、産業転換によって自動車製造でも就業者数が減少する。
職種別にみると、介護保健サービス職や情報通信専門職、工学専門職を中心に就業者が増加する一方で、販売職や機械操作員では減少すると予測されている。
2034年の経済成長率2%達成に必要な追加人材は122万人
雇用情報院の見通しでは、経済成長率を1.6%(予測値)から「持続可能な経済成長率(2.0%)」に引き上げるために追加で必要となる人材の規模も推計している。「持続可能な経済成長率(2.0%)」とは、雇用情報院が推計している、女性、若年者、高齢者層の労働力率を日本の水準までに引き上げた場合の経済成長率である。これによると、2024年~2034年の間に追加で必要な人材は122万2,000人に上る。
これらの人材は特に労働力の停滞が起きる2029年~2034年の間に必要となる。また、専門職や事務職といった高熟練職種、単純技能職、サービス業の低・中熟練職業で必要となる可能性が高いと予測している。
雇用情報院は、今後も労働力不足が予測されることから、若年者や女性、高齢者といった潜在人材の労働市場への参入促進を強化する必要があると指摘している。また、業種によって人材需要が異なることから、業種や職種ごとの変化に対応するカスタマイズされた政策が必要となるとみている。
参考資料
- 雇用労働部報道資料「高齢化によって労働供給の制約深化、AI技術拡散によって人材需要構造の転換が加速、追加必要人材は2034年まで122万2000名
」(2026年2月12日)
2026年3月 韓国の記事一覧
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