外国技術人材の就労資格・許可に関する規則を制定・公布

カテゴリー:外国人労働者

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  • 国別労働トピック:2026年2月

労働部は2025年12月30日、「外国技術人材の就労資格および許可管理法(外國技術人力工作資格及許可管理辦法)」を公布・施行した。同法は、「外国技術人材(外国技術人力)」について、従事可能な職種、職務範囲、雇用条件、学歴・実務経験に関する要件、受入上限、人材募集手続、許可申請に必要な条件、ならびに入境後の管理について細かく定めている。今回の施行により、「外国技術人材」は、従来の「中級熟練人材(中階技術人力)」を包摂する独立した制度として再編された。

就業サービス法第46条第1項第11款で規定された「外国技術人材」

「外国技術人材」とは、就業サービス法第46条第1項第11款で規定する職種に従事する外国人雇用労働者を指す。外国人が台湾域内で就労する場合、法律または本規定に特例がない限り、雇用主は中央主管機関(中央目的事業主管機関)に就業許可を申請しなければならない。今回の施行では、雇用・管理に必要なデータについて、中央主管機関が関係機関・団体・法人・個人に対して提供を求める仕組みも明記された。そのうえで、個人情報の保有・処理・利用は「個人資料保護法」に従うとされている。

従事可能な14職種

「外国技術人材」が従事可能な14職種の業務範囲、職務内容、および資格・実務経験に関する要件は、以下のとおりである(表1)。

表1.業務範囲・業務内容・資格と経験
  業務範囲 業務内容 資格・経験
翻訳業務 国際人材仲介業務を行う民間就業サービス機関で、指導・管理に関する翻訳

高卒以上

料理人および関連業務 国際人材仲介業務を行う民間就業サービス機関での調理等 高卒以上+1年以上の職務経験
製造業務 特定製造工程工場での製品製造、設備操作、組立 「就業サービス法」第46条第1項第8号から第10号に規定する業務に雇用されて従事し、かつ、次のいずれかに該当する者。
  • ① 現在雇用されて就労しており、かつ、連続した就労期間が6年以上である者、または同一の雇用主のもとで通算の就労期間が6年以上に達する者
  • ② 以前に雇用されて就労した経験があり、いったん出境後に再入境して累計11年6か月以上など、より長い累計就労歴を持つ者
  • ③ 以前に雇用されて就労した経験があり、通算の就労期間が11年6か月以上となり、すでに出境している者
また、台湾での大学・短期大学等において準学士以上の学位を取得した外国人留学生、僑生またはその他の華僑系学生(以下「卒業僑外生」という)。
建設業務 公共工事・重大インフラ等での技能、設備操作、組立
海洋漁業業務 漁船やいけす養殖区域での漁業
と畜・解体業務 積み下ろし、搬入、係留、気絶、と殺、解体、分装等
アウトリーチ型農業(請負型・出張型農業) アウトリーチ型農務サービス契約の履行地での農林牧・養殖漁業関連
農林牧・養殖漁業業務 農林牧・養殖漁業関連
施設介護業務 施設・病院で心身障害者・患者に対する生活支援、介助、ケア
家庭介護業務 家庭で要介護者に対する健康管理・ケアなど
一時的な付き添い・介護サービス・急性期後ケア(多元陪伴照顧服務(注) 指定されたサービス提供施設により派遣し、心身障害者または病人の日常生活のケア、付き添い、またはそれに関連する業務
宿泊サービス業務 観光ホテル、旅館、民宿での客室清掃・予約対応およびフロント業務、接客、客室への案内など 海外から受入れる場合、以下のいずれかを満たす必要がある。
  • 卒業僑外生
  • 海外での大学・短期大学等で準学士以上
  • 海外で高卒以上+産業主管機関(中央目的事業主管機関)が認める関連経験2年以上
一方、台湾地域内で同分野に就いていた者が許可満了や雇用主変更を経て継続するルートも用意されている。
商業港湾埠頭における貨物の積卸し・集散業務 商業港湾の埠頭又はコンテナターミナル等の区域内における設備の制御、施設の組立・解体、地上作業の配車・調整、クレーン操作及び機械の保守・修理等
その他、主管機関が個別認定する業務    

(注)「多元陪伴照顧服務Diversified Companion Care Servicenew windowとは、台湾労働部が、高齢者における「一時的」な介護ニーズ、外国人家庭介護労働者の交代等により生じる空白期間における「短期的」な介護サービス人材の需要、および家族が手術後または病後に必要とする「急性期後」のケアなどの課題に対応するために推進する新しい形態の介護サービスである。本サービスでは、家庭が直接雇用するのではなく、施設が外国人労働者を雇用し、専門の付き添い・介護サービス員を派遣してサービスを提供する仕組みとなっている。

出所:法律を基に筆者作成

製造業務(③)から商業港湾埠頭における貨物の積卸し・集散業務(⑬)までの職種に従事する対象者については、中央主管機関が一定の条件を設定できることが定められている。具体的には、資格や訓練、実務経験などによる専門性の証明や、賃金の最低水準などが求められる。ただし、製造業務(③)から農林牧・養殖漁業業務(⑧)まで、ならびに家庭介護業務(⑩)に規定するものについては、賃金が一定額に達している場合、この限りではない。さらに、特定の職種については、スキルや賃金に加えて、語学能力に関する条件が明記された。

介護分野(施設介護、家庭介護、一時的な付き添い・介護サービス・急性期後ケア)や、海外から人材を受け入れる宿泊業・港湾関連業務では、原則として一定の語学能力が必要とされる仕組みとなっている。一方で、家庭介護において賃金が一定額以上の場合など、語学要件が緩和される例外も設けられた。

雇用上限の多層構造と職種別設計

「外国技術人材」については、以下のとおり職種ごとに細かく受入人数の上限が定められている。

① 翻訳、料理人

翻訳人材は、一般企業ではなく、国際人材仲介業務を行う民間就業サービス機関に雇用され、外国人労働者の管理・支援を担う人材として位置づけられる。雇用可能な人数は、①サービス機関の従業員数の20%を上限とする基準と、②同一国籍の外国人50人につき1人とする基準の二重構造によって決定される。また、人数算定にあたっては、既存の雇用人数に加え、過去2年以内に雇用許可が廃止された人数も含めて算定される。

料理人についても、雇用主体は国際人材仲介業務を行う民間就業サービス機関に限定されるが、翻訳人材分野よりも厳格な要件が課される。具体的には、同一国籍の委託管理対象となる外国人数が100人以上の場合に限り、料理人および関連職の雇用が認められ、人数枠は委託管理外国人数の規模に応じて段階的に設定される(表2)。人数算定は国籍別に行われ、異なる国籍間での合算は認められない。さらに、認定にあたっては、既存の雇用人数および過去2年以内の雇用許可廃止人数を含めて算定する仕組みが採用されている。

表2. 料理人および関連業務の雇用人数
委託管理の外国人数(同一国籍) 雇用可能な料理人数 雇用可能な関連職人数
100人以上200人未満 2人 1人
200人以上300人未満 3人 2人
300人以上 基準人数に加え、外国人が100人増加するごとに1人追加 基準人数に加え、外国人が100人増加するごとに1人追加

出所:法律を基に筆者作成

② 建設

建設業では、工程(プロジェクト)の規模・工期・指標に応じて人数を算定し、その上限を管理する方式が採用されている。公共工事では、分級指標(注1)を含めた算定が行われ、民間の重大工程では、工事総額および工期を変数として人数が算定される。工期延長時には、原工期と延長工期を合算して人数枠を再計算する一方、当初許可人数を上限とする制限が設けられている。また、検査を実施する期間においては、過去の雇用人数の50%を上限とする特例規制が適用される(表3)。

表3.建設分野における外国技術人材の人数枠決定方式
区分 対象工程 人数枠の決定方法 算定基準 上限・例外・留意点
基本枠(公共)
(第18条)
公共工事 中央主管機関の公式により算定 工事総額・工期・分級指標 分級指標等は工程主辦機関および上級機関が認定
雇用比率上乗せ(公共)
(第18条但書)
公共工事 行政院の承認により人数枠を増加 中央目的事業主管機関が必要性を認めた場合に限る
基本枠(民間)
(第19条)
民間重大工程 中央主管機関の公式により算定 工事総額・工期 工事総額・工期は目的事業主管機関が認定
算定除外(民間)
(第19条但書)
民間重大工程 公式算定から除外 工事金額1億新台湾ドル未満且つ工期1年6か月未満の契約は算定対象外
個別の建設工事契約が締結されていない場合
(第19条第2項)
民間重大工程 行政認定値を用いて算定 計画工程の工事総額・工期 個別建設契約がない場合、主管機関が認定
工期延長枠(公共)
(第20条)
公共工事(工期延長) 原工期+延長工期で再計算 第18条公式 当初許可人数を超えない/申請期間:満了14〜120日前/許可期間合計3年以内
工期延長枠(民間)
(第20条)
民間重大工程(工期延長) 原工期+延長工期で再計算 第18条公式準用 当初許可人数を超えない/申請期間:満了14〜120日前/許可期間合計3年以内
検査期間特例枠
(第21条)
公共工事(検査期間) 過去雇用人数の50%以内 過去の雇用実績 失聯者(連続3日無断欠勤)は過去人数から除外/許可期間合計3年以内

出所:法律を基に筆者作成

③ 海洋漁業

海洋漁業については、漁船ごとの雇用可能な外国技術人材の総人数は、漁業許可証に定められた船員定員を超えてはならない。また、総人数の認定に際しては、単なる申請人数だけでなく、申請雇用人数、幹部船員の最低配置人数、既存の雇用人数、申請日前2年以内に雇用主の責任により許可取消となった人数を合算して算定する。なお、幹部の最低人数や20トン未満の船舶の配置人数は、主管機関の公告および漁船船員管理規則に基づいて認定される。台湾人船員数が最低必要人数を上回る場合には、実際に出航する本国船員の人数を出航船員数として計上する。

④ 介護

社会福祉分野では、施設介護、家庭介護、一時的な付き添い・介護サービス・急性期後ケアなどの多様な介護サービスの区分ごとに、雇用可能人数が個別に規制されている。

家庭介護分野で外国技術人材を雇用する場合には、一般の職種よりも厳格な手続が設けられている。まず、外国人を雇用する前に、台湾人の介護人材を探さなければならない。被介護者が一定の条件を満たす場合には、地方自治体の長期介護管理センターが台湾人の介護人材を紹介し、それでも必要な人材を確保できなかった場合にのみ、外国技術人材の雇用申請が認められる。また、別の条件に該当する場合には、全国的な就業情報ネットワークに求人を掲載し、一定期間募集を行ったうえで、地域内の人材では需要を満たせないことが確認された場合に限り、外国人材の雇用が可能となる。

さらに、家庭介護分野では「被介護1人に対して原則1人」という個別対応型の人数制限が採用され、その例外および算定対象人数が詳細に規定されている。家庭介護分野における外国人労働者の上限は、原則として同一被介護者につき1人とされるが、植物状態または全面介助が必要なバーテル指数0点で、かつ改善の見込みがない場合に限り、例外的に2人までの配置が認められる。認定にあたっては、現時点の雇用人数に加え、申請中の人数、採用募集の許可を受けた人数、本来予定されている雇用の切替えや移行がまだ完了していない者、過去2年以内の許可取消人数を合算する方式が採用されている。

⑤ 旅宿・港湾

旅宿サービスおよび商港港湾埠頭における貨物の積卸し・集散業務では、上限が「雇用主の雇用規模および賃金水準」と連動する仕組みが採用されている。雇用主は外国技術人材を受け入れる場合、許可取得後の一定期間内に、台湾人労働者の賃金総額および社会保険水準を引き上げることが求められ、外国人雇用は国内の労働条件の改善と結び付けられている。外国技術人材の雇用人数の上限は、雇用主の過去1年間の平均雇用人数を基準とし、その10%以内に制限される。

申請は原則オンライン化、地域内募集(求人)を義務付け

雇用申請の手続面では、オンライン申請が原則化されるとともに、提出書類の原本は雇用主によって5年間保存するルールも明記された。さらに、雇用主は原則として、外国技術人材の申請前に公的就業サービス機関に求人登録を行い、その翌日以降、就業情報ネットワークに求人広告を掲載して、一定期間(原則7日以上)、台湾人労働者の募集を実施しなければならない。地域内で募集しても充足できない場合には、公立就業サービス機関から「人材募集証明書(求才証明書)」を取得したうえで申請へ進む流れが規定されており、台湾地域内の雇用機会の確保を制度的に担保する仕組みとなっている。

不許可・取消に関する条項を規定

雇用主側の要件としては、直近2年間において台湾人労働者の解雇が一定割合に達した場合、雇用許可が認められない可能性があることが規定されている。また、雇用主、被介護者、または同居する親族が、過去に雇用した外国人に対して特定の性犯罪等に該当する行為を行った場合、あるいは、雇用主の代表者、責任者、または雇用主に代わって労務関連事務を処理する者が、過去に雇用した外国人に対して、人身売買、強制労働、不法拘禁、搾取などの人身取引関連犯罪に該当する行為を行った場合には、雇用許可を付与しないことが明記されている。

一方、外国技術人材本人についても、過去3年以内に、無許可就労、許可された雇用主以外での就労、3日以上連続する失踪(連絡不能)、健康診断の拒否または虚偽の情報提供などの違反行為が認められた場合には、不許可とする条項が設けられている。

労働契約・賃金明細は「中国語+母国語」で交付を明記

入境後管理では、雇用主責任の開始時点(入境日または許可発効日)を定め、必要に応じた安置(保護・一時収容等)の枠組みも設けられた。特に注目されるのが、労働契約書および賃金明細の取扱いである。労働契約は中国語で作成し、さらに外国技術人材の母国語訳を添付することが明記された。また、賃金明細も中国語と母国語を併記し、実際の受取額、保険料、税金、控除項目などの内訳を明示したうえで交付するものとされている。なお、これらの関連書類は、雇用主が5年間保存しなければならず、賃金の支払いは、原則として「全額を現金で直接支給」とされている。

参考文献

参考レート

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