デジタルプラットフォーム国際統計基準の策定に着手
国際労働機関(ILO)は2026年2月、デジタルプラットフォームに関する推計を示した研究レポート「Digital labour platforms: Number of platforms and workers」を公表した。それによると、2025年時点で世界のデジタルプラットフォームは653件である。プラットフォーム労働者数の国際比較は困難であったが、ILOは統計基準の作成に着手している。
以下で主な内容を紹介する。
デジタルプラットフォーム数は過去20年間で大幅に増加
デジタルプラットフォームの数は近年大幅に増加した(図1)。ILOの推計によると、タクシーや配達、ヘルスケア、個人サービス、オンライン講師などのサービスを提供するデジタルプラットフォームは、2025年10月時点で653件にのぼる(注1)。2021年の777件よりも少ない件数であるが、これは近年増加している合併や買収によって閉鎖や統合が生じたためとみられる。
プラットフォームの種類別にみると、労働者がオンラインでサービスを提供するオンライン基盤型が204件で最も多い。この中には、フリーランス(136件)、マイクロタスク(42件)、競技プログラミング(25件)のプラットフォームが含まれる。次に多いのはデリバリーであり、195件である。続いて、個人サービスが71件、ヘルスケアが66件、タクシーが50件、オンライン講師が31件の順である。さらに、複数のサービスを提供するハイブリッドプラットフォームが35件存在する。
図1:カテゴリー別プラットフォーム数

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出所:ILO(2026)
実際の就業規模の把握は困難
デジタルプラットフォーム就業に関する国際的な統計基準は存在しないため、各国の統計の定義や測定手法はさまざまであり、国際比較は困難である。オンライン基盤型及び活動地点基盤型(注2)のプラットフォームを通じた労働サービスのみを対象範囲としている国がある一方で、プラットフォームを介した電子商取引、レンタルサービス、コンテンツ作成活動なども含める国もある。調査対象期間についても、1週間を対象とする国や1年間とする国、不定期に調査を実施する国もある。
諸外国の労働力調査に基づく、労働年齢人口または就業者数におけるプラットフォーム労働従事者の割合は図2のとおりである。調査対象期間を過去1年間とすると、ノルウェーでは5.7%、デンマークでは5.4%、スイスでは0.9%である。過去1か月間に期間を絞ると、その割合はノルウェーでは1.5%、デンマークでは0.6%に低下する。
図2:労働年齢人口におけるプラットフォーム労働従事者の推定割合(注3)

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出所:ILO(2026)
過去1年間にデジタル労働プラットフォームでのみ就業した人の割合は、シンガポールでは2.8%、スイスでは0.2%である。過去1週間では、チリでは3.1%、アメリカでは1.0%である。
ILOの調査によると、デジタルプラットフォーム就業について測定している国は40か国にとどまっている。デジタルプラットフォーム就業の国際比較の実現に向けて、ILOは新たな国際統計基準の策定に着手している。この基準は主要な用語の明確な定義と各国が関連統計を作成するための指標、さらにデータ収集ツールと方法論的ガイダンスを含む予定であり、2028年に開催される第22回国際労働統計家会議(ICLS)での採択を目指している(注4)。
注
- デジタルプラットフォームを含む、企業のビジネス情報を収録したデータベース「Crunchbase」の情報を基にした推計。(本文へ)
- 活動地点基盤型(ロケーションベース)のプラットフォームとは、乗客と運転手をマッチングするタクシー配車サービス、料理や日用品を配達するデリバリープラットフォームなど場所を基盤としてサービスを提供するプラットフォームを指す。(本文へ)
- プラットフォーム労働従事者の定義は国によって異なる。*のついた国は就業者数におけるプラットフォーム労働従事者の割合を示す。(本文へ)
- 労働統計における国際基準の設定やガイドラインの作成を行うILO主催の会議。約5年に1度開催される。(本文へ)
参考資料
関連情報
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