「就業斡旋料」の違法徴収を厳罰化、史上最高額の罰金も

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台湾では、外国人労働者から違法に「就業斡旋料(買工費)」を徴収する人材仲介会社に対する取り締まりが強化されている。労働部は2025年12月、史上最高額となる1,000万新台湾ドル超の罰金を含む厳しい行政処分を科したと発表した。制度改正後も続いてきた違法徴収の実態と、これに対する当局の対応について、以下で解説する。

1,000万新台湾ドル超の罰金とその背景

労働部は、外国人労働者に対して仲介費用を違法に徴収した仲介会社への処罰を厳格化している。労働部は2025年12月23日、地方政府と連携し、人材仲介会社が外国人労働者から違法にいわゆる「就業斡旋料(買工費)」を徴収していた事案調査を行い、複数の仲介会社に対して行政処分を科したと発表した。処分の中には、史上最高罰金額が1,000万新台湾ドルを超えるケースも含まれている。

この問題の背景には、外国人労働者に関する制度改正がある。労働部は2016年、「就業サービス法」を改正し、外国人労働者が3年就労するごとに一度出国しなければならないとする規定を廃止した。これにより、仲介会社が3年ごとに外国人労働者本人から仲介手数料を徴収する慣行は、制度上認められなくなった。

現行制度では、外国人労働者の就労・雇用許可期間が満了した後、雇用主は人材仲介会社に委託し、契約満了後の再雇用(継続雇用)や雇用主変更の手続きを行うことができる。仲介会社は、この手続きに関連して、継続雇用する雇用主や新たな雇用主から、登録手数料および紹介手数料を徴収することが認められているが、その合計額は外国人労働者の初月賃金を超えてはならないとされている。

なお、外国人労働者本人から仲介手数料やその他の費用を徴収することは禁止されており、本人から徴収できるのは受け入れ管理費のみである。さらに、就労開始から3年を経過した後については、受け入れ管理費の上限は月額1,500新台湾ドルとされ、前払い徴収も認められていない。

立入検査を強化、26年以降は直接雇用拡充へ

しかし、こうした規定にもかかわらず、一部の仲介会社では、外国人労働者が契約期間満了後に雇用主の変更や再雇用を希望する際、「就業斡旋料(買工費)」などの名目で費用を請求するケースが後を絶たなかった。労働部によると、近年、こうした違法行為に関する通報や陳情が相次いで寄せられている。

実際、2025年12月にはインドネシア出身の外国人労働者20人が労働部前で集団抗議を行い、仲介会社から違法に総額100万新台湾ドルを超える就業斡旋料を徴収されたと訴えた。労働部労働力発展署・外国人労働力管理部門の責任者である蘇 裕国氏は、「市民団体から複数の外国人労働者が高額な費用を請求されているとの陳情を受け、地方政府が調査に着手した」と説明する。その結果、当該仲介会社が、雇用主変更や再雇用に際し、契約満了後の転換費用や再雇用費用を外国人労働者に対して違法に徴収していたことが判明した。

地方政府は、こうした行為が「就業サービス法」第40条第1項第5号に違反すると判断し、当該仲介会社に対して1,000万新台湾ドルを超える罰金を科した。これを受け、労働部も法令に基づき、最長1年の営業停止処分を下した。

蘇氏は、「外国人労働者から再雇用費用や雇用主変更費用を徴収する行為はいずれも違法である」と改めて強調している。

労働部は2025年に入ってから、定期調査に加え、高リスクと判断される仲介会社を対象とした重点調査を実施し、延べ2,200回以上の立入検査を行ってきた。その結果、違法な費用超過徴収により、すでに10社の仲介会社が地方政府から処分を受けている。

違法に費用を超過徴収した場合、たとえそれを当該の外国人労働者へ返還したとしても処分が免除されることはなく、超過額の10倍から20倍に相当する罰金や営業停止処分の対象となる。労働部は、2026年に立入検査を約2,500回実施する計画で、監督体制を一層強化する方針である。

さらに、今後は直接雇用制度の拡充を進めるとともに、通訳体制の強化や、雇用主と外国人労働者との意思疎通支援の充実を図る方針である。外国人労働者が職場や雇用主の変更を希望する場合にも支援を行い、関連するサービス拠点を段階的に拡充していくとしている。

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