正規職転換支援事業を再開
雇用労働部は1月1日より、「正規職転換支援事業」の参加企業を募集を再開する。同事業は、非正規職労働者を正規職に転換した企業に支援金を支給する事業だが、2024年から新規募集を停止していた。以下で制度の概要を紹介する。
新規募集を約2年ぶりに再開
正規職転換支援事業は、非正規職労働者を正規職に転換した企業を対象に、奨励金及び人件費の一部を支給することで、企業の負担を緩和し、雇用を安定させるための事業である。本制度は2015年に導入されたが、実効性や税額控除との重複支援などを理由に2024年から新規募集を停止していた(注1)(注2)。これを約2年ぶりに復活させた形である。2026年の予算規模は69億ウォンである。
雇用労働部は、募集停止前の正規職転換支援金事業からの変更点として、以前は一定規模以下の優先支援対象企業・中堅企業を対象としていたのに対して、今回の政策では30人未満の企業に限定したことで、正規職への転換が難しい零細事業者や小規模事業所に政策資源が集中するよう設計したと述べている(注3)。
労働者1人当たり最大月60万ウォンを支援
支給対象は、被保険者数が30人未満の企業であり、6か月以上2年以下の期間勤続した有期雇用労働者、派遣労働者、社内下請労働者、労務提供者を、正規職に転換または直接雇用した場合に支援金が支給される(注4)。また、次の条件すべてに該当することが条件となる。①最低賃金額以上を支給すること、②雇用保険加入などの基本的な労働条件の保障、③正規職労働者と比較して賃金などの不合理な差別がないこと。
支援を受けようとする企業は、参加申請書を提出し、承認通知を受けた日が属する月の翌月から6か月以内に正規職への転換を行う必要があり、転換後1か月以上雇用を維持しなければならない(注5)。
支援金は、奨励金と賃金増加補填額の2つに分かれている。奨励金は、正規職に転換した労働者1人当たり月40万ウォンである。賃金増加補填額は、転換時につき20万ウォン以上賃金が引き上げられた場合に労働者1人当たり月20万ウォンが支給される(表)。
| 以前(~2023年) | 2026年 | ||
| 支給対象 | 優先支援対象企業または中堅企業 | 30人未満の企業 | |
| 支援金額 | 転換時の賃金が20万ウォン以上引き上げられた場合 | 月50万ウォン | 月60万ウォン (奨励金40万ウォン+賃金増加補填額20万ウォン) |
| 20万ウォン未満 | 月30万ウォン | 月40万ウォン | |
| 支援条件 |
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| 支給期間 |
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出所:雇用労働部報道資料を基に作成
支援する労働者数は、事業所の直前年末時点での被保険者数の30%までと定められており、例えば、5人以上10人未満の事業所は3人が上限となる。支援期間は最長で1年間であり、申請及び支給は3か月ごとに行う。
事業への参加を希望する企業は、雇用24(雇用サービス総合プラットフォーム)のウェブサイト上または雇用センター(公共職業安定所)で申請が可能である。
注
- 雇用労働部の事業体期間制勤労者現況調査によると有期雇用労働者の正規職転換率は2015年第4四半期には7.0%、2023年下半期には8.4%であり、1.4ポイントの上昇にとどまっている。(本文へ)
- 2022年時点では、中小企業・中堅企業が非正規職労働者を正規職に1人転換するごとに、所得税または法人税を最大1,000万ウォン(中堅企業は700万ウォン)控除する「正規職労働者への転換による税額控除」が運営されていたが、2023年に「統合雇用税額控除」に統一されている。統合雇用税額控除は、常時労働者数が前年よりも増加した企業が対象であり、基本控除額は中小企業の常時労働者1人当たりの場合には首都圏で850万ウォン、それ以外の地域で950万ウォンである(基本控除額は企業規模、常時労働者の属性によって異なる)。支援期間は常時労働者数を維持した場合には最長3年間である。(正規職転換時の追加税額控除は2024年で終了)。(本文へ)
- 優先支援対象企業とは、業種ごとに定められた人数以下の規模の企業などを指す。製造業:500人以下。鉱業、建設業、運送及び倉庫業、情報通信業、事業施設管理・事業支援及びレンタルサービス業、専門・科学及び技術サービス業、保健業及び社会福祉サービス業:300人以下。卸・小売業、宿泊及び飲食店業、金融及び保険業、芸術・スポーツ及び余暇関連サービス業:200人以下。その他の業種:100人以下。
中堅企業とは次の条件を満たす企業である。①中小企業でないこと、②相互出資制限企業集団に属していないこと、③公共機関、地方公共企業などでないこと。 (本文へ) - 被保険者数が5人未満の事業場、転換後の月平均報酬が124万ウォン未満の労働者などは除く。 (本文へ)
- 正規職への転換履行は、経営上の困難など避けられない理由があると認められた場合には最長6か月まで追加で延長が可能。(本文へ)
参考資料
- イーデイリー「非正規職が増えるが、正規職転換支援金の廃止…代替案を準備する必要があります
」(2023年11月9日付) - 国家法令センター「雇用創出奨励金・雇用安定奨励金の申請及び支給に関する規定
」 - 雇用労働部報道資料「2026年雇用労働部はこのように変わります
」(2026年12月31日付) - 雇用労働部報道資料「雇用労働部、2026年正規職転換支援事業再開―1月1日~正規職転換支援金申請してください!
」(2026年1月1日付) - 大韓民国政策ブリーフィング「1.2(金)毎日経済(オンライン)正規職転換支援金再開…「失敗した政策」の繰り返しはできません(社説)記事関連説明
」 - 中小企業ベンチャー部「統合雇用税額控除案内(2025年中小企業租税支援)
」(2025年7月30日付) - 毎日経済「正規職転換支援金再開…「失敗した政策」の繰り返しはできません
」(2026年1月2日付)
参考レート
- 100韓国ウォン(KRW)=10.75円(2026年1月13日現在 みずほ銀行ウェブサイト
)
2026年1月 韓国の記事一覧
- 正規職転換支援事業を再開
- 雇用許可制による2026年の受入規模を8万人に設定 ―前年比5万人減
関連情報
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