雇用労働部、「仕事を通じた希望発見プロジェクト」開始
―若年・中堅層向けの総合雇用支援策―

カテゴリー:雇用・失業問題

韓国の記事一覧

  • 国別労働トピック:2012年4月

韓国雇用労働部は3月2日、若年・中堅層の雇用支援を目的とした「仕事を通じた希望発見プロジェクト」を新たに開始した。学校卒業後、職に就けない若者や失業手当受給期間終了後も失業している中堅層の人々の失業が社会問題となる中、こうした人々の雇用促進につながることが期待されている。

「若年者」「中堅層」向け2つのプロジェクト

韓国では、2011年2月に学校を卒業した67万3,000人の若者のうち、27万9,000人が2011年8月時点で失業していた。また、40~64歳の失業手当受給者のうち、2011年11月末時点で、32万9,000人が失業手当受給期間終了の1カ月後に失業していた。

「仕事を通じた希望発見プロジェクト」は、職業相談、職業訓練から職業紹介までを網羅する総合雇用支援策で、雇用労働部は全国の雇用支援センターを通じて、このプロジェクトを運営する。5万1,000人の若者、10万5,000人の中堅層が参加すると見込んでいる。

「仕事を通じた希望発見プロジェクト」は2つのプロジェクトで構成している。

第1は、「若年者雇用成功(YES)プロジェクト」で、学校卒業後、仕事が見つからない15~29歳(兵役を終えている場合は、15~32歳)の若者を対象としている。高校卒業後、進学しない失業者は、直ちにプログラムに参加できる。大学以上の卒業資格を持つ失業者は、卒業6カ月後から参加資格を有する。

第2は、「中堅層のための再就職促進プロジェクト」で、収入が最低生計費の200%以下の世帯に属する中堅層(40~64歳)のうち、(1)失業手当受給期間終了後1カ月間失業している者、(2)雇用保険加入期間が失業手当受給資格に満たない者、(3)雇用保険未加入で6カ月以上失業している者――のいずれかに該当する者を対象としている。4人世帯の場合、月額8万6,742ウォンの健康保険料を支払っている人々(合算した収入が299万1,100ウォン以下の人々)が対象となる。

3段階に分け、雇用サービス提供

「仕事を通じた希望発見プロジェクト」は、3段階に分けて参加者に雇用支援サービスを提供する。

第1段階(3週~1カ月間)で、参加者は職業相談、職業心理テスト、グループ相談などを受けた後、希望の職に就くための雇用支援サービスを含む個人別雇用支援計画を策定する。参加者には、最高で20万ウォンの参加手当が支給される。

第2段階(6カ月間)で、参加者は希望職種に応じた職業訓練を受ける。参加者には研修カード(200万ウォンに相当する個人別訓練口座付)が発行され、6カ月間、最高で月額31万6,000ウォンの手当(求職手当20万ウォン、訓練手当11万6,000ウォン)が支給される。一般の失業者が訓練に参加する場合は、費用の25~45%を自己負担しなければならないが、このプロジェクトの参加者は自己負担が免除される。

第3段階(2カ月)で、参加者は、面接への同行や雇用者と求職者を引き合わせるイベントへの招待など、集中的な職業紹介を受ける。これは、参加者の希望職種や修了した訓練コースに対応する形で提供される。

各段階の雇用支援策
第1段階 第2段階 第3段階
1カ月 6カ月まで 2カ月
診断、志望の明確化、個人別雇用支援計画の策定 職業能力、仕事への適応力の改善 職業紹介
20万ウォンの参加手当 ・200万ウォンに相当する研修カード、自己負担の免除
・6カ月間に最高で月額31万6,000ウォンの手当
 

雇用労働部長官のコメント

イ・チェピル雇用労働部長官は、「『仕事を通じた希望発見プロジェクト』は、政府が実施する若年・中堅層のための積極的労働市場政策の一環として推進される。我々は、若者が適性に見合う仕事を見つけ、社会人になるための最初のスッテプを着実に踏みだすことができるよう、また、中堅層が新たな仕事を通じて成功裏に人生の第2幕を迎えられるよう、積極的に支援を提供していく」と述べた。

出所

参考レート

2012年4月 韓国の記事一覧

関連情報