雇用回復も労働市場は二極化傾向強まる

カテゴリー:非正規雇用統計

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  • 国別労働トピック:2010年7月

韓国統計庁が6月4日に発表した「雇用形態別経済活動人口追加調査」によると、2010年3月現在で非正規労働者は549万8000人、前年同月比で12万4000人(2.3%)の増加であった。雇用の全般的な回復傾向にもかかわらず1年で非正規労働者は2.3%増加した。非正規労働者の数が増加するとともに、正規労働者と非正規労働者間の賃金格差が拡大、労働市場の二極化傾向が強まっている。

非正規労働者数は2007年3月に577万3000人に達したが、2008年3月には563万8000人、2009年3月には537万4000人と減少傾向を見せ、今年はやや増加した。非正規労働者を雇用形態別に見るとパートタイム労働者が20万8000人(15.8%)と最も多いが、増加率では派遣労働者が高い(8万1000人、61.5%、)。産業別では、ビジネス、個人サービスおよび公共サービス分野の非正規労働者が前年同月比で28万8000人増加した。一方、建設(7万6000人)、卸売り・小売およびホテル・レストラン(4万9000人)、製造(2万5000人)、電気、交通、通信および金融(1万2000人)などの各業種は減少を見せている。これは政府が推進してきたプロジェクトの縮小などの影響と見られる。

一方、正規労働者と非正規労働者の賃金格差は拡大している。今年1~3月の正規労働者の平均賃金は228万9000ウォンで、前年同期比で5.6%の増加となった。一方、非正規労働者の平均賃金は125万3000ウォンで増加率は1.7%であり、両者間の格差は103万6000ウォンと前年同期の93万5000ウォンより拡大している。正規労働者の賃金を100とした非正規労働者の賃金比率は54.7であり、昨年の56.9をさらに下回った。正規労働者との格差は拡大しており、労働市場が二極化傾向を強めていることを示している。労働省は上記の調査結果について、「この2つのグループの賃金格差は、企業規模が大きくなるにつれてさらに拡大している」とコメントしている。

出所

  • 韓国統計庁、Labor today

参考レート

  • 100ウォン(KRW)=7.31円(※みずほ銀行リンク先を新しいウィンドウでひらくホームページ2010年7月16日現在の参考)

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