過去10年間に非正規労働者比率が25.5%に上昇
―連邦統計局調査

カテゴリー:非正規雇用統計

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  • 国別労働トピック:2008年11月

連邦統計局が9月に公表した調査結果で、2007年の非正規労働者数が768万人となり、全雇用労働者3018万人の25.5%に達したことが明らかになった。1997年から2007年の10年間で非正規労働者数は258万人増加し、雇用労働者全体に占める割合が8ポイント上昇。他方、同期間に正規労働者数は153万人減の2249万人となり、雇用労働者全体に占める割合が74.5%へと低下した。

非正規労働者の7割以上が女性

連邦統計局によれば、正規労働とは、(1)フルタイム就労者または週労20時間以上のパートタイム就労(2)期間の定めのない雇用契約関係(3)社会保険制度の適用を受ける(4)直接の雇用関係――を特徴とする。これに対し非正規労働とは、(1)期間の定めのある雇用関係(2)週20時間未満のパートタイム労働(3)派遣労働(4)僅少労働――を指す。

非正規労働者の性別構成をみると、女性(71.0%)が男性(29.0%)を大幅に上回った。他方、正規労働者では、男性(61.1%)に対し女性(39.9%)だった。非正規雇用に占める女性比率が高い主な要因は、パート就労者比率の高さだ。2007年の女性雇用労働者の30.2%が週20時間未満のパートタイム就労に従事していた。この比率は男性では4.1%に過ぎない。

若年層、EU域外外国人、低学歴層で顕著

調査ではまた、若年層(15-24歳層)、EU域外外国人、職業訓練未修了者の非正規就労比率が相対的に高いことも明らかになった。まず若年雇用労働者全体に占める非正規就労比率は39.2%に及んだのに対し、その他の年齢層では26.6%~22.4%の幅におさまった。非正規就労比率が最も低いのは、年金受給年齢前の45-55歳層(22.4%)だった。過去10年の上昇率をみても若年層の非正規就業の増加は顕著で、1997年より19.7ポイント増となった。これに対し、他の年齢層の上昇率はいずれも10%を下回った。若年層の非正規就労の内訳をみると、派遣労働契約の増加が顕著となっている。

低学歴労働者の非正規就労比率も高く、26.7%(1997年)から40%(2007年)へと上昇した。国籍別ではEU域外労働者の非正規就労比率が、21.7%(1997年)から36.8%(2007年)へと上昇した。これに比してEU域内(27カ国)労働者では、17%(1997年)から28.7%(07年)と、比較的緩やかな上昇となった。

なお、非正規労働者のうち、就業していてもハルツIV給付を受給していた割合は7.3%だった。

公的管理部門を除く全産業で正規雇用が減少

産業別では、公的管理部門(83.1%)を除く全産業分野で正規雇用が減少した。過去10年間の減少幅が最も大きかったのは商業・修理・飲食・ホテル業で、正規の比率は78.0%から67.0%へと低下した。また、過去10年に正規雇用割合は低下したものの、エネルギー水供給業では依然として90%を上回る水準を維持した(90.5%)。このほか、建設業(84.1%)、製造業(84.1%)、信用・保険業(83.5%)、公共管理(83.1%)、交通・通信・報道(80.7%)、農林・漁業(70.6%)、商業・修理・飲食・ホテル業(67.0%)、不動産業・住宅・企業サービス(66.0%)、公的・私的サービス業(64.0%)の順となった。

出所

  • 連邦統計局発表資料

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