熟練労働者不足問題に関する議論への関心高まる
新たな職業能力開発政策「将来のための技能(Skills for the Future)」をめぐり、熟練労働者不足問題に関する議論への関心が高まっている。
「将来のための技能」は、06年10月に発表された新たな大規模職業能力開発政策。予算総額は、5年間で総額8.3億豪ドルにのぼる。「将来のための技能」の主な内容は表1のとおり。すでにいくつかのプログラムが07年1月から実施されている。
これに対し、アンドリュー・ロブ職業訓練担当大臣は「労働党が政権を握っていた1980年代から90年代はじめにかけて充分な職業訓練を受けずに現在に至った中高年労働者に対する訓練の拡充が必要」と発言、今後は職業能力開発のターゲットを中高年労働者に重点的に置くとの見方を示した。(注1)その一方で、若年者へ向けの能力開発が薄いとの批判もあり、「将来のための技能」の今後の方向性が注目される。
「将来のための技能」の主な内容
- 学費補助プログラム:
中等教育をドロップアウトした成人(25歳以上)向けに、中等教育修了に相当する資格を取るための学費として1人当たり最高3000豪ドルを上限とする学費(バウチャー)を支給する。参加者は公立の高等職業教育訓練機関(Technical And Further Education:TAFE)などの教育機関で、ホスピタリティー、チャイルドケア、自動車修理などの分野の資格を取得することができる。
- 在職者向け技能習得支援
30歳以上の在職者の技能取得に際し、本人あるいは事業主に初年度は一人当たり150豪ドル/週、次年度以降は100豪ドル/週を支給する。
- 高度工学技能資格の取得推奨
より高度な技術と知識が業務において求められ、それにしたがって高度な資格を取得する技術者への需要が高まっていることから、5年間に労働者24800人を対象に、学位或いはそれ以上の資格を取得しようとする場合、それらを取得するためのコースに入学した時点で1500豪ドル、修了時に2500豪ドルを補助する。
注
- NNA
参考
- 金属資源情報センターウェブサイト
参考レート
- 1オーストラリアドル(AUD) =89.47円(※みずほ銀行ウェブサイト
2007年3月6日現在)
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