日系企業対象中小企業セミナー開催される:テーマ「賃金実態調査」

カテゴリー:労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2007年2月

マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)と中小企業金融公庫クアラルンプール駐在員事務所は毎月1回、中小企業会員向けに経営に関する基礎的な事項を分かりやすく学んでもらうことを目的に、「中小企業講座」を開催しているが、今回は「賃金問題」をテーマに開催された。

セミナーは、毎年実施している賃金に関する定点観測的実態調査の結果である「賃金実態調査報告書」をもとに行われた。同調査はJACTIMが今年9月、8月末の賃金について全会員へのアンケート方式で行ったもの。発送件数は549社、回収件数は123社で、回収率は22.4%だった。同調査結果によると2006年の昇給率はスタッフが5.2%、ワーカーが4.4%と、05年調査の06年見込みよりそれぞれ0.9%、0.6%上昇。特にスタッフの昇給率が大きくなっている。一方で07年度見込みではワーカーの伸び率が高くなっているという。

今回の調査から、職種別賃金水準を厳密に観測するため、実態に即し、「たいぴすと」「レセプショニスト」「オフィスボーイ」などを「事務スタッフ」として一元化し、業種別、職種別の平均賃金、平均勤続年数、平均年齢,従業員数を集計している。全開調査に比較して「会計事務」(-33.4%)、「トップマネジメント」(-18.9%)で賃金水準の下落が激しい。製造業、建設エンジニアリング関連職種でも、全開に比較し全般的に減額しており、特にラインのマネジャーやスーパーバイザーの賃金の落ち込みが激しいことが結果として明らかと成っている。

同調査報告は、他にも賞与、駐在員数の増減、日本語ができローカルスタッフの平均賃金、退職金制度などについても定点観測の結果を明らかにしている。

現在の「経営上の問題」として、賃金、採用、解雇の問題が認識されており、特に解雇訴訟については、「現在係争中」「過去に係争になった」を含め、46%の日系企業が経験しており、問題している現状が浮き彫りとなっている。

出所

  • マレーシア海外委託調査員報告(2007年2月)

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