年金引き上げ案、大統領は拒否

カテゴリー:勤労者生活・意識

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  • 国別労働トピック:2006年9月

ルーラ大統領は、2006年4月1日から最低賃金を300レアルから350レアルへ16.67%引き上げ、これに合わせて350レアル以下の年金についてもこのレベルまで引き上げる措置をとっていた。ところが国会は野党を中心に、年金全体についても最低賃金と同率の16.67%引き上げる案を提出。これを上下両院で可決したが、ルーラ大統領はこれを拒否した。理由については、引き上げに掛かる予算は盛り込まれておらず、このような高い調整率を負担する財政的裏付けはないと述べている。

一方、ネルソン・マシャード社会保障相も「16.67%調整なら2006年だけで年金支払い額は70億レアル(約31億8182万ドル)にもおよび、財政的根拠はない」とこの案を真っ向から否定している。

このように政府の予算規模を無視した支払い不可能な社会保障受給調整率を国会に提示して政府のイメージ失墜を狙う戦略は、労働党が野党時代によくとっていた戦術。今度は野党がこの手を使い労働党に揺さぶりをかけているものと見られる。

参考

  • 海外委託調査員

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