Cクラスが最大の消費者
ブラジルは国民の所得階層をABCDEの5階級に区分している。このたびフランスの金融会社と世論調査会社との合同調査で、Cクラスが国民の34%を占める最大の消費力を持つ購買層であることが、全国の1200人を対象とする共同研究で明らかになった。分析によると、Cクラスの世帯平均月収は1107レアル(約481ドル)となっており、この中から生活必需経費(家賃、食費、薬品代、交通費など)を差し引くと残額は122レアル(約53ドル)になる。またCクラスは家族収入の約15%に当る150レアル(約65ドル)を月賦支払いに充当しており、生活必需品を支払った後の残額では、月賦支払いに不足する。しかも、Cクラスの45%は、次月以降も、新たに月賦で買い物をしたい意向を持っており、当分月賦支払いに追われる生活を送ることになる(表参照)。
AとBクラス | Cクラス | DとEクラス | 平均 | |
---|---|---|---|---|
全体に占める割合(%) | 15% | 34% | 51% | |
平均収入 (括弧内はドル) |
2484 (1080) |
1107 (481) |
544 (327) |
974 (423) |
月末の残金 (括弧内はドル) |
631 (274) |
122 (53) |
-16 (-7) |
134 (58) |
月間平均月賦支払い (括弧内はドル) |
203 (88) |
150 (65) |
84 (37) |
127 (55) |
今後の支出増加意向(%) | 54% | 45% | 23% | 39% |
出所:金融会社CETELEM、世論調査会社IPSOS
小売や融資会社にとって、Cクラスは最も消費潜在力を持っている重要な層。国民の51%を占めるDEクラスは月末になると、平均して、必要家計に16レアル(約7ドル)の赤字となって、生活必需品以外の消費力は無くなる。Cクラスが最も欲している商品は、85%がコンピューターとなっており、最低でも1200レアル(522ドル)の価格となっているコンピューターは、Cクラスにとって、1カ月の家族収入に等しく、簡単に手の出ない商品となっている。ついで83%は家具、79%は電気製品となった。
学歴や世帯収入の少ない家庭では、月賦で支払った場合、総額はどれだけになるかと計算する人は少なく、月額月賦が、支払えるかどうかが、月賦購入に踏み切る重要な決定要因となっている。このため、小売商では、小売価格が100レアル(43ドル)にも満たない商品まで10回払いで販売して、消費者金融利子で利益を上げている。中央銀行の調査によると、2006年4月に国内の銀行は、個人に対する融資に対し年間平均57.8%、企業には30.7%の利子を取っており、2004年7月に金利調査を開始して以来最低に下がったと発表した。
Cクラスでは、ガスレンジ、ラジオは大部分が所有しているために、次は電気製品に対する所有意欲が強くなっている。高額所得者のABクラスでは、家計の月末残高は平均631レアル(約274ドル)となっているが、このクラスの月賦購入は少なく、家族収入の8%を月賦支払いに当てているに過ぎない。
出所
- 海外委託調査員
参考レート
- 1米ドル=114.47円(※みずほ銀行ウェブサイト2006年7月4日現在)
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