WTO加盟交渉、大詰めに
―米越が二国間交渉で合意

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  • 国別労働トピック:2006年6月

2005年5月31日、ホーチミン市でベトナムのルオン・バン・トゥー商業次官とカラン・バティア米通商代表部(USTR)副代表はベトナムの世界貿易機関(WTO)加盟に向けた二国間の合意文書に署名した。

WTO加盟の手続きは法制度の整備が中心に議論される「多国間」交渉と市場アクセスの改善を主に行なう「二国間」交渉の二本立てで行なわれる。二国間交渉については、今回、最も協議が難航していた米国と妥結に至ったことですべて終了し、加盟交渉もいよいよ大詰めに入ることになる。

今後は米国と米国議会による恒久的最恵国待遇(PNTR)の承認など一連の手続きのほか、WTO一般理事会(閣僚会議)での承認、国内における「加盟議定書」の批准が行われる予定。正式加入は議定書の批准から30日以降となっており、政府はベトナムがホスト国を務める11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)までに、WTO加盟を果たしたいと考えている。加盟が実現すれば、アセアン諸国におけるWTO非加盟国はラオス一国を残すのみとなる。

WTO加盟交渉のあゆみ

ベトナムは、WTO発足当時(1995年1月)から加盟申請を行ない、加盟作業部会(WP:Working Party)での交渉を行なってきた。一般的に新規加盟交渉は長期化する傾向があるといわれ、2001年12月に正式加盟を果たした中国は1986年のGATT発足当時から通算すると15年かかった。ベトナムについても「加盟待ち」の状況が長く続き、今年中の加盟が実現すれば11年かかったことになる。多国間交渉においてとりわけネックになったのが、ベトナムの立法制度。法体系自体に未整備な部分が多かったこともあり、整備の時間を要したといわれている。それでも、2005年11月の国会では「投資法(2006年7月1日施行)」、「企業法(2006年7月1日施行)」が相次いで成立・改正されるなど、急ピッチでの整備が進められた。

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