原油の高騰、漁業労働者に深刻な影響
原油価格の高騰が漁業セクターに従事する労働者に深刻な影響を与え始めている。現在タイの燃料価格はリッター当たり約30バーツ。これ以上の原油高が続けばディーゼル燃料に頼る漁船の操業は困難な状況になり、漁業産業労働者の解雇および廃業などが相次ぐものと見られている。
タイ工業連盟南部支部のタッウィー・ピヤパッタナ(Thawee Piyapattana)事務局長によると、タイ南部における5万隻の漁船の約半分が、すでに燃料代の高騰で漁に出られず操業を見合わせているという。同事務局長は、「こうした事態が長引けば、漁業加工品の不足および著しい品質低下を招くのは必至で、南部だけでも漁業産業に従事する労働者のうち約10万人が失業する恐れもある」と警戒している。
しかし、タイの漁業加工品はその多くが日本など海外へ輸出されており、過酷な市場競争からコスト高と言えども産品の価格を上げられないのが現状。同産業関係者はこの窮状を政府に訴えるが、今のところ状況を打開する効果的な方法は見つかっていない。
参考
- 5月9日付バンコック・ポスト紙
参考レート
- 1タイバーツ=2.93円(※みずほ銀行ウェブサイト
2006年6月5日現在)
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