再発するタイ人労働者による争議
2005年8月に勃発したタイ人労働者による暴動は、雇用主である高雄捷運公司(KRTC)への反発と仲介した公的機関による搾取が原因であった。事態を深刻に受け止めた政府は、緊急に実態調査に乗り出し、事態は一時的に収束したかに見えた。
しかし、今年に入り、タイ人労働者632人はKRTCに対する不満から職場に向かうシャトルバスへの乗車を拒否、3月31日に再度のストライキを決行した。今回のストライキは、超過勤務手当の未払いと医療費の増額、一向に改善されない生活環境、不十分な食事など不公正な取り扱いに抗議するものである。
8月のストライキ発生以来、外国人業務を担当する職員が岡山、鳳山、高雄の外国人労働者宿舎をほぼ毎日調査するなど政府も食事の質、生活環境の改善に努力している。
KRTC副社長と外国人労働者生活管理事務所は、今回のストライキを休日として処理し、労働者の給与を差し引くことはしないことをきめ、タイ人労働者の代表と合意したことで今回の事態は漸く収束した。
タイ人労働者の一連の暴動は、政府指導者数名が辞職するというスキャンダルに発展し、外国人労働者の受入れのあり方を台湾社会全体に問題提起した。
政府職員によると、8月の暴動処理以降労働者の処遇は全般的に徐々に改善してきているはずであるという。また、今回の暴動の原因の多くは、タイ人労働者が労働規則を理解していないために混乱したのであろうと推測している。KRTC側も、今後は、タイ人労働者にも労働基準法の遵守を徹底してもらい、労働者が説明なく3日間以上欠勤した場合はレイオフし、タイへの帰国を求めると強調している。
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