タイ航空の労使紛争、社長交代へ

カテゴリー:労使関係

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  • 国別労働トピック:2006年5月

派遣社員の導入をめぐる対立が続いていたタイ国際航空(TG)の労使紛争は社長交代という事態を受け新展開へ向かうこととなった。同社ワンチャイ会長は、新社長にアピナン・スマナセニ副社長(56)を選出したことを発表、月末で任期が切れるカノック社長に代わり、5月1日付で就任する。任期は4年の予定。地元各紙が報じた。

第14代目の社長となるアピナン氏は、空軍士官学校卒業後、1975年に同社に入社し、操縦士などを務めた後、経営陣に加わった。最優先課題の経営再建を前に、「長期的な成長が目標。労使紛争を早期に解決させたい」と労使紛争解決への意欲を見せた。

同社は昨年8月、4~6月期に48億バーツの最終損失を出したこと、ならびに派遣社員導入をめぐる労使紛争などを理由にカノック社長の代表権ははく奪された。現在はソムチャイヌーク取締役が社長代行として経営再建に取り組んでいる。昨年12月と今年1月に新社長の立候補を受け付け、候補者11人から社内の幹部4人に絞って選考を進められていたもの。

2006年度第1四半期(05年10~12月)の同社の業績は、売上高が前年度同期比6.5%増の458億バーツ、純利益が同33.4%減の38億バーツとなっている。昨年から原油高などで業績不調が続いているが、今年1月の平均搭乗率は昨年同月比7ポイント増の76%と好調だった。原油高など逆風の中での船出だが、労使紛争を早期に解決させ経営を軌道に乗せたいとする新社長の手腕に注目が集まっている。

出所

  • 4月19日付バンコクポスト紙他、NNA

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