「シニア・プラクティス・プライス」の設立

カテゴリー:高齢者雇用

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  • 国別労働トピック:2006年10月

雇用担当大臣、クラウス・ヨート・フレデリクセンは8月17日、高齢者の継続雇用を促進するために特別の努力をした企業に授与される「シニア・プラクティス・プライス(注1)」を設立することを発表した。

雇用省、労働環境研究所、管理職中央労動組合が主催する同賞は、大企業(公的機関・団体)、中企業(同)、小企業(同)の三つの分野から選出される。第一回シニア・プラクティス・プライスは、2006年12月7日、国民議会のカンファランスルームで開催が予定されている「シニア・ミーティング」の席上に発表される。

背景

デンマークにおいては少子高齢化の進行と平行して、65歳の定年前に退職する高齢者が多く(60歳~65歳の者に適用される早期退職制度を利用)、民間企業や公的機関は有能な人材を保持・確保することに大きな困難を感じている。このような状況の中、高齢者が継続して働くことをより魅力的・容易にするために各種施策を講じた企業や機関・団体を社会貢献型企業・団体として承認することで、高齢者の継続雇用の推進をバックアップすることが同賞設立の趣旨とされる。

受賞要件

具体的な受賞要件として、(1)高齢労働者の肉体的負担を軽減するため、仕事の内容等を変更、(2)他の仕事ができるよう、高齢労働者に必要な教育・研修を施す、(3)高齢労働者特有のニーズに応じるよう、組織・機構等を改革、(4)在宅勤務や労働時間の短縮を可能にするなど、よりフレキシブルな勤務体制を整備などがあげられる。

受賞候補

デンマークでは大企業の多くがすでに高齢者の継続雇用を支援するための施策を講じているが、その一例としてノデア銀行があげられる。同銀行の頭取、ピーター・シュルツ氏は、「行員の多くは、早期退職制度を利用するなどして労働市場から引退できる年齢に近づいている。そこで、我が社では高齢者の特別雇用制度(シニア・アグリーメント)を導入し、たとえば週休3日(土日以外に一日休暇を追加)、減給せずに労働時間を短縮、退職金制度(注2)を導入するなどして、特に経験が豊富な高齢行員の保持に力を入れている」と述べている。ちなみに、ノデア銀行はすでに同賞の受賞候補としてノミネートされている。

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