最近の労働市場の状況

カテゴリー:雇用・失業問題

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  • 国別労働トピック:2006年1月

2005年第3四半期の病気欠勤率は、全雇用者の3.4%であった。これは国際的には高い水準であるが、スウェーデンの状況においては、2004年第3四半期から0.5ポイント改善する非常に肯定的な数値である。病気欠勤数は急速に改善しており、2008年までに病気欠勤数を2002年の半分に減少させる政府の目標は達成可能とみられる。

産業ごとには依然として大きなばらつきがあり、地方政府の病気欠勤率は4.6%となっている(ここ1年では0.6ポイント改善)。

中央政府と民間部門の病気欠勤率は、ともに0.5ポイント改善し、中央政府2.2%、民間部門3.0%となった。民間部門において病気欠勤率が最も高かったのは、製造業の4.1%であった。従業員100人以上の職場は、従業員20人以下の職場の2倍の病気欠勤数となっている。

早期退職(いわゆる病気・活動手当)も最近初めて顕著に減少した。10月には、前年同期より1万人少ない6万4400人がこの手当を受給した。傷病手当の受給者数は、前年同期より4万1000人少ない、21万9000人であった。

スウェーデン企業連盟(SN)は、早期退職する30歳以下の若い女性の数が2003~2004年の間に30%増加したことについて警告している。1カ月を超える長期の病気欠勤数は、女性が男性の2倍となっており、多くの場合、心理的な問題が原因と診断されている。SNによるとその原因は、若くして子供を持ち、延長された両親休暇を取得するかまたはパートタイムの仕事に就く若い女性が、職業生活の経験よりも家庭生活に関係する心理的問題を早期に経験することにあるという。包括的な福祉制度が、若い女性にとっての罠――つまり職業生活から長く離れることは、復帰を極めて困難にする――となっていると指摘する。

10月の顕在失業者数は労働力人口の5.6%に当たる25万4000人であり、雇用者数は420万人であった。これらの数値および総労働時間数は、2004年10月とほとんど変わりない。

労働市場庁(AMS)によると、2004年の新たな正規雇用ポスト27万8000件のうちの10万件に、失業手当受給者または積極的労働市場政策による職業訓練受講者が就職した。2004年の新たな労働契約103万5000件のうち、75万6000件が非正規の仕事であった。正規雇用の求人の56%が公共職業安定所に登録されており、公共職業安定所が個人にとって最良の職探しの方法となっている。

病気欠勤者は、地方政府のケア部門で雇用される女性に最も多い。この部門は雇用が最も減少している部門でもあり、これら2つの統計数値の間の因果関係が指摘されている。製造業もまた雇用者が減少しており、同時に生産、生産性および利益が急上昇している。ここでもまた、雇用者の減少と高い病気欠勤率の因果関係を指摘する者がいる。民間サービス部門だけが雇用を大幅に増加させている。しかし、ほとんどの女性がパートタイムの仕事に就いていることが重大な問題となっている。

出所

  • 当機構委託調査員レポート

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