高齢化の進行と労働力

カテゴリー:高齢者雇用

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  • 国別労働トピック:2006年1月

韓国では出生率の低下と人口の高齢化が急速に進行しているが、これを背景に、2010年には労働者の平均年齢が40歳を超えるという推計が発表された。中核労働力(25~49歳層)は2008年以降、年に20万人ペースで減少し、2050年時点では現在よりも1千万人減っているとの推計もある。

韓国の出生率は、20年前の2.83%から2003年には1.19%と急速に低下。一方65歳以上の人口は、政府の推計によれば2005年時点の9.1%から2030年には24.1%に急増する。

労働力の高齢化と減少が進む

韓国経営者連盟(KEF)が2005年12月に発表したレポートによれば、労働者の平均年齢は1980年の28.8歳から、2004年には37.5歳へと10歳近く上昇した。これは高学歴化の反映でもあるが、高齢化が現在のペースで進行すれば、労働者の平均年齢は2010年には40歳、2020年には43.9歳に達するという。

同レポートによれば、賃金労働者に占める40歳以上層の割合は1980年代の15.7%から、2004年には39.5%と4割を占めている。一方、30歳未満の若年労働者の割合は60.6%から27.5%へと大幅に減少。これは企業が新規学卒者よりも経験を積んだ労働者を好んで採用すること、また大企業の雇用保障が向上しているためだという。

KEFによれば、今後も労働力の高齢化が進めば、生産性の低下につながることが懸念される。また高年齢労働者の増加に対応して、賃金システムの見直し、職場研修の充実、より働きやすい雇用環境の整備が必要だとしている。

一方、企画予算処長官は2005年12月に開かれた議員フォーラムで、将来の労働力人口の減少に備えて積極的な対策が必要だと述べた。「現在は8人の労働者が1人の高齢退職者を支えているが、2030年には3人で1人の高齢者を支えなくてはならない。」と長官は述べた。高齢社会に対応するためには、女性や高齢者を積極的に雇用するとともに、高齢者の雇用保障と福祉制度を充実させていく必要があるとしている。

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