地方都市における移民数増加 移民を分散化させる政策が一定の効果

カテゴリー:地域雇用外国人労働者

オーストラリアの記事一覧

  • 国別労働トピック:2005年6月

オーストラリアでは、移民の受入の際に年齢、技能、国内での就労経験などを点数化するポイント制が導入されている。現在、永住権獲得に必要なポイント(パスマーク)は、120だが、地方での居住、勤務、都市部に移動しない、など一定の条件を満たせば、永住権獲得の際にボーナスポイント付与などの地方都市へ誘致する施策が打ち出されている。これらの政策は一定の効果を挙げており、地方都市への移民数は増加傾向にある(図1)。

地方都市への移民分散施策

2005年5月、政府は新たな移民の地方誘致策を発表した。これは、次年度の移民枠拡大を受けたもので、技術移民の受入数を拡大しさらにはシドニーやゴールドコーストなどの都市への集中を緩和させることが狙いだ(注1)。新たに発表された地方都市への移民誘致策の主な内容は以下のとおり。

  1. 地方都市技術独立ビザ(Skilled Independent Regional Visa)

    地方都市での永住、就労の促進を目的に設定されているビザ。当該ビザを取得後、居住、就労など一定の条件を満たせば、永住ビザが申請可能になる。SIRのパスマークは110ポイントであるため、他のビザではポイントが足りない場合でも申請することができる。さらに、2005年7月1日より、技術独立地方移住ビザ申請者への10ポイントの追加処置(10ポイント・アワード)が行われる予定。

  2. ワーキンクホリデービザ(Working Holiday Maker Visa)

    低賃金を理由に労働力が確保できない農園にとっては、ワーキングホリデービザが発給された渡航者(ワーキングホリデーメーカー)が貴重な労働力となっている。2005年11月以降、地方都市の農園での収穫作業を3ケ月以上経験すれば1回い限り取得可能であったワーキングホリデービザの再申請を可能とする規制緩和がなされる予定。

図

関連情報