2004年OFW送金、前年比約12%増の85億ドルに
中央銀行(BSP)の発表によれば、2004年の海外フィリピン人労働者(OFW)からの送金額は85億4445万米ドルで、2003年(78億米ドル)より11.8%増加した。中央銀行は当初、6%増を予想しており、その予想を大きく上回る結果となった。
2004年12月の送金額は、同年11月の7億4000万米ドルから、8億6701万米ドルと、20%近く増加。2003年の12月と比較しても、19.6%の増加となった。OFWからの送金額は、1998年に前年から28.3%増加して70億米ドル台に達した後、減少傾向にあった。しかし、2002年以降は、増加傾向に転じている。
この背景には、OFW派遣数の拡大があると、中央銀行は指摘。労働雇用省(DOLE)によると、2004年のOFW派遣数は、前年比0.4%増の87万1700人(陸上ベースの労働者は、64万6578人、海上ベースは22万5122人)であった。OFW派遣数は、2000年(84万1628人)以降、急激に増加。2002年には89万1908人にまで達したが、新型肺炎SARSやイラク戦争の影響を受けた2003年には、86万7969人にまで減少した。2004年は、わずかながらも、再び増加の兆しをみせたといえる。ブエナベントゥラ中央銀行総裁は、「教育を受け高い技術を有する専門職のフィリピン人労働者が、海外から求められていることを再確認した」と述べている。
こうしたなか、シンガポールが、移民法改正(2004年7月)で外国人向け労働ビザのカテゴリーに新設した「Sパス」が注目されている。Sパスでは、学歴、専門技能、就労経験などのポイント制で発給が決定される。基本月給の最低額は、1800シンガポールドル。月給が2500シンガポールドルを越えれば、配偶者ビザの申請も可能である。
シンガポールでは、高学歴を有する専門職、管理職、投資家などに発行される「Pパス」(月給7000シンガポールドル以上は「P1パス」、月給3500~7000シンガポールドルで「P2パス」)、原則として4年制大学卒又は専門的資格や技術を有し、月給2500シンガポールドル以上の「Qパス」、肉体労働者や非熟練労働者用の「Rパス」がある。
イムソン労働雇用相代理は、Sパスの新設により、フィリピン人のホワイトカラーの就労が容易になるとし、シンガポールにおけるフィリピン人就労の拡大に期待を寄せている。
参考レート
- 1シンガポールドル=64.43円(※みずほ銀行ウェブサイト2005年3月3日現在)。
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