大韓航空がスト突入
12月8日午前0時、大韓航空パイロット労組はストライキに突入した。争点は賃上げで、前日まで続けられた労使交渉は妥協点を見いだせないまま決裂した。労組の要求は「基本給と飛行手当を6.5%、賞与を50%ポイント引き上げ」。これに対して会社側は「基本給2.5%、賞与50%ポイント引き上げ」の案を固持している。
大韓航空の発表によれば、8日に出発予定の53%に相当する204便が欠航する。同航空の輸送人員は国内線の65%、国際線の40%、国際貨物輸送では48%を占めている。特に主力輸出品である携帯電話などIT製品の輸送に占める比重は大きく、ストライキの影響は甚大である。このため政府は航空安全本部に対策本部を設置し、24時間連絡体制をとっている。また建設交通省長官は前日7日、緊急調停権発動を検討していることを明らかにした(注1)。
なお、韓国経営者総協会が社員100人以上の企業約1300社を対象に行った調査によると、2005年に労使間で妥結した賃金引き上げ率は平均5.5%。これは前年より0.2%ポイント低い。賃上げ率は2003年の7.5%から2004年には5.7%に大きく低下し、それをさらに下回る水準となった。企業規模が大きいほど引き上げ幅が小さく、300人未満の企業の5.8%に対し、1000人以上企業では4.4%となっている(注2)。
注
- 毎日経済TVニュースチャンネル(2005年12月8日付)より。
- NNA POWER ASIA(2005年12月6日付)より。
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