非正規労働者数は増加していた:政府が発表を訂正
政府は10月26日、今年の非正規労働者数が2001年以来初めて減少し、前年より37万人少ない503万人になったと発表した。しかし翌日、政府はこの統計が誤りであったとして訂正した。正しくは548万人で、これは全労働力の36.6%に当たり、前年より9万人増加しているとした。
コリア・ヘラルド新聞の報道(注1)によれば、労働部は訂正のための記者会見で「統計の専門家なら簡単に気づくような問題を見落としていた」ことを認めた。国家統計局が不適切な処理を行ったデータが労働部に提出された上、労働部の担当者の処理にも誤りがあったとした。
識者によれば、韓国の統計システムは全体的に貧弱で、その信頼性には疑問があるという。国立のシンク・タンクである韓国開発研究所も、国の統計システムに関するレポートの中で、政府の統計処理には大いに改善の余地があり、統計の専門家を増員するべきだと述べている。韓国の統計専門家の数は人口10万当たりわずか9人だが、アメリカでは51人、オランダでは159人だという。「統計が貧弱な状態で、政府が非正規労働者のような問題に適切に対処することは不可能だ。」とそのレポートは述べている。
非正規労働者をめぐっては、昨年11月に政府が非正規労働者保護法案を国会に提出したのに対し、労働団体はこの法案が正規労働者の雇用を脅かすものだとして反対している。法案はいまだ成立していない。今回の統計の誤報に関しても、韓国労働組合総連盟をはじめとする労働団体は、政府が非正規労働者問題を軽くみせようとしていると非難し、キム・デファン労働部長官の辞任を求めている。
なお、最近発表されたOECDのレポート(Economic Survey of Korea , 2005)では、正規労働者の雇用保護の緩和、非正規労働者に対する社会的セーフティ・ネットの拡大を含む包括的な政策により、労働市場の柔軟化を図ることを韓国の政策課題として提言している。
注
- The Korea Heraldの10月27日及び28日付けオンライン記事より。
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