ソーシャル・ダイアログ・サミットの開催

カテゴリー:労使関係

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  • 国別労働トピック:2005年11月

欧州委員会は9月29日、1985年にソーシャル・ダイアログが開始されてから20周年になるのを記念して、ソーシャル・ダイアログ・サミットを開催した。会合には、欧州連合(EU)加盟25カ国およびルーマニア、ブルガリアの労使団体の代表150名以上が参加した。

欧州のソーシャル・ダイアログは、使用者と労働者代表組織の間の対話であり、労使団体による協議、交渉、共同行動の形式をとる。これらは、労使団体による最も重要な手段であり、欧州の社会的基準を設定し、欧州連合の統治においてきわめて重大な役割を果たしてきた。欧州レベルのソーシャル・ダイアログは、欧州共同体条約や数多くの重要な節目となる欧流理事会において強力な機構的支援を受けてきた。

ソーシャル・ダイアログ・サミットは、欧州委員長が主催し、欧州労使団体や加盟国の労使団体の代表が参加するハイレベルの会合であり、1985年以来、9回開催された。討議では、成長と雇用のためのEUの戦略、欧州経済社会の現代化(産業転換、活力ある高齢化、若年者の労働市場への統合など)に対する労使の貢献に焦点が当てられた。

欧州では、労使による労働立法システムが発展してきた。これは、欧州委員会がEUの社会政策分野の提案をEUレベルの労使団体に協議し、EU労使団体が合意した場合には、EUレベルの労働協約が締結されるものである。EU労使団体が要請した場合、EUレベルの労働協約には、欧州理事会の決定という手段で拘束力が付与される。

欧州のソーシャル・ダイアログは、これまでEUレベルの産業別労使団体による40以上の共同文書の採択を含む、様々な成果を生み出した。EUの中央労使団体は、育児休業(1995年)、パートタイム労働(1997年)、有期労働契約(1999年)に関する労働協約を締結し、その内容は欧州理事会の決定により、EU指令としてEU全域に適用された

EU労使が2002年3月に採択した「能力と資格の生涯開発のための枠組み行動」と題する文書は、履行とモニタリングに関し、労使のより大きな関与を促している。また、2005年3月には、ジェンダー平等に関する枠組み行動が採択された。

EU労使団体は2002年7月、テレワーク枠組み協定を締結した。これは、理事会決定によって法的拘束力を付与して実施するのではなく、EUの中央労使団体の各加盟国における構成組織によって履行・監視される初めての協定となった。これに続いて2004年10月、職業性ストレスに関する枠組み協約が同様の方式で締結された。

EU労使団体は2002年、ソーシャル・ダイアログに関する最初の3カ年行動計画(2003年~2005年)を採択し、現在2005年以降の2回目の複数年行動計画の策定に取り組んでいる。

参考

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