国際競争力の評価が大幅に上昇
世界経済フォーラムが9月28日に発表した「世界競争力報告書2005-2006」が示す「世界競争力指標(GCI: Global Competitiveness Index)」ランキングで、韓国の順位が前年から大きく上昇したことがわかった。
国際競争力指標:アジアで3番目に高い
GCIは競争力を量的に評価するためのフレームワークとなるような相互補完的な概念を集めたもので、(1)技術力、(2)公的制度及び(3)マクロ経済環境の3つを柱とする。韓国の2005年の順位は17位で、2004年の29位から12ランク上昇した。これは対象国117か国中最大の上昇幅である。アジア地域の国としては台湾(5位)、日本(12位)に次いで高い。
3つの柱ごとにみると、技術力ランキングでは7位と日本(8位)を抜き、アジアでは台湾(3位)に続く高位である。マクロ経済環境ランキングでは25位で、これはやはり日本(42位)より高い。一方、公的制度ランキングでは42位と日本(14位)よりも低くなっている。
企業競争力指標では6番目
同報告書では「企業競争力指標(BCI: Business Competitiveness Index)」も示している。これは現在の経済の生産性と競争力の保持レベルを決定する、基本的なミクロ経済要因に注目したもので、GCIが将来を展望するマクロ経済的アプローチをとっているのに対し、それを補完するものとされている。BCIの2つの柱は(1)企業の操業・戦略の洗練度及び(2)国のビジネス環境の支配的な性質である。このBCIで、韓国は昨年と同じ24位にランクされた。アジア地域ではシンガポール(5位)、日本(8位)、台湾(14位)、香港(20位)、マレーシア(23位)に続き6番目である。柱ごとにみると、企業の操業・戦略ランキングでは17位、ビジネス環境の性質ランキングでは24位となっている。
高い技術力を武器に躍進する韓国企業の動向は、9月に米国フォーブス誌が発表した「アジア優良企業50」(注1)にも現れている。ここでは日本企業13社、台湾企業8社とならんで、韓国から8企業がランクインしている。韓国経済はこのまま順調に回復し、国際競争力を高めていくのか。今後の動向が注目される。
注
- The Asian Fab50(Forbes社のウェブサイト参照)。
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