労働市場庁の職安改革

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  • 国別労働トピック:2004年4月

労働市場庁(AMS)は職業安定所が提供するサービスを効率化させるために2004年1月より職安機能の再編を行っている。求職者がコンピューターやコールセンターなどを利用して自発的に職探しをするように促す一方、職安の職員が専門的なアドバイスを提供する機会を増やす。2003年に失業率は約1ポイント上昇して年末には5.9%に達した。失業者数は25万9000人で1年前よりも5万3000人増加した。職業紹介機能の強化が期待されている。

AMSは中央の行政部門と職安に合わせて1万人の職員を抱えている。職安では、単純な問い合わせの電話などへの対応に忙しく、求職者1人に約12分という短い時間しか費やすことができず、職員も過労気味で、職安機能を十分に果たすことができなかった。

今後は、仕事の検索や定型的な質問については、求職者自身にコンピューター検索してもらったり、全国3カ所に設置するコールセンターに無料で電話してもらうことで対処する。例えば、書類の記入方法について質問したい、あるいは、法律について質問がある場合にはコールセンターを利用してもらう。コンピューターは、図書館、レストラン、大企業、タバコ店、学校など、これまででは考えられないような場所にも設置する。同様に自宅のコンピューターからも、インターネットを通して仕事を検索することができる。これらの取り組みにより、職安において1000人分の職員の労働時間が節約できると見込まれている。この時間を専門的なアドバイスの提供に振り向けることになる。

具体的な流れとしては、求職者が職安に登録した後、コンピューターを使って仕事を検索する。コンピューターの操作など不明な点についてはコールセンターに質問する。もし30日以上仕事が見つからない場合には求職者は再び職安を訪問することになっており、従来よりも丁寧で専門的なアドバイスを受ける。

この改革では、これまで仕事を紹介してもらうという受動的な立場にあった求職者に対し、自分自身の責任で仕事を探すという意識を高めようとしている。例えば、コンピュータを自ら操作して仕事を探すことは求職者の責任であり、職安との契約の一部なのだという意識である。

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