ブラジル社会開発省を新設
- 国別労働トピック:2004年4月
施政2年目を迎えてルーラ大統領は、1月23日に5閣僚を入れ替え、2省を新設する内閣改造を実施した。
今回の内閣改造は、労働党の公約である社会福祉政策が遅々として進まないことに対応して、食糧安全・飢餓対策省と社会援護・振興省の2省を廃して、社会開発省を新設したことが大きな特徴である。
新省の大臣には、初め、前回の大統領選挙でルーラ氏の対立候補であり一時は当選さえ噂された社会進歩党のセアラ州元知事のシロ・ゴメス氏の行政手腕を高く評価して任命しようとしたが、労働党内の反対に遭いこれを断念し、結局、党内からミナス州選出下院議員パトルス・アナニアス氏を任命するに至った。新任大臣は、膨大な予算と広範な権限を有するところから、早くもスーパー・ミニスターと呼ばれている。
前任者であるベネジッタ・ダ・シルバ前社会援護・振興相は、女性であり、ブラジル国内で大きな影響力を有する福音教会の支持を受けているので、多分に人気取りのために任命されていたといわれ、ジョゼ・グラジアーノ食糧安全・飢餓対策省も、省自体が、多分に間に合わせ的なものであることがその名称からもはっきりしているので、他の省に併合されることに異論を唱える者はいない。社会政策重視は、雇用増大とともに、ルーラ大統領と労働党のスローガンであるので、このたびの改造は、ルーラ大統領が、社会政策に本腰を入れて取り組むことを明らかにしたものとされている。
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