男女の賃金格差
労働法において、「国は、女性労働者を多く雇用する企業に対し、優遇措置政策を採用し、減税を検討するものとする」、「妊娠中、出産休暇中、あるいは12歳未満の子どもの育児に当たっている女性労働者は、一時的に、労働契約の一方的終了を免除されるものとし、懲戒処分が適用される期間の延期が認められるものとする」と規定されているものの、 制度的にも定年年齢が男女で異なる等、男女労働者の平等については多くの課題が残されている。
採用の際に結婚あるいは妊娠以前に企業の定める期間働くことを強制する違法行為が、慣行として行われていることが多く、その期間は1年未満の場合や2年以上等企業によって異なっている。これらの規定が不合理なものと知りつつも、経済的な理由で働かざるをえない女性労働者が多い。これらの問題に対しILOやVCGLらはジェンダー問題の観点から是正に取り組んでいる。
各種企業100社を対象とした調査(注1)によれば、男子の月収107万4360ドン(約69USドル) に対し、女子は95万5780ドン(約62USドル)であった。下記の表にあるとおり、各企業によって、格差の度合いは異なっており、一部では女子が高くなっているものもある。賃金で比較した場合、その比率は86.35となり不足分については時間外労働などで補填しようとする傾向が見られる。
企業形態 | 基本給 | 超過勤務手当 | その他 | 総額 |
---|---|---|---|---|
国営 | ||||
男性 | 734.73 | 141.25 | 117.13 | 993.11 |
女性 | 617.50 | 104.85 | 138.54 | 860.89 |
外資 | ||||
男性 | 1172.50 | 252.14 | 173.13 | 1597.77 |
女性 | 988.82 | 247.06 | 143.26 | 1379.14 |
合弁 | ||||
男性 | 667.86 | 87.50 | 181.71 | 937.07 |
女性 | 624.75 | 96.00 | 301.50 | 1022.25 |
合資 | ||||
男性 | 788.40 | 167.00 | 100.00 | 1055.40 |
女性 | 539.06 | 157.31 | 64.29 | 757.66 |
個人経営および 有限責任 | ||||
男性 | 723.00 | 81.00 | 164.80 | 972.80 |
女性 | 649.09 | 111.50 | 126.03 | 886.62 |
その他 | ||||
男性 | 630.00 | 150.00 | 194.75 | 974.75 |
女性 | 628.30 | 196.88 | 155.00 | 980.18 |
合計 | ||||
男性 | 780.60 | 142.56 | 151.20 | 1074.36 |
女性 | 674.11 | 143.09 | 138.58 | 955.78 |
注
- 研究側調査員レポートによる
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