外国投資企業におけるストライキ件数増加
ベトナム国内のストライキ発生数は増加傾向にあり、労働組合が存在しない企業における違法ストや正式な手続きをとらずに行なわれるいわゆる山猫ストの多発が指摘されている。2004年11月、国会社会問題委員会はホーチミン市でストライキに関する法的手続をテーマとするセミナーを開催。司法省及び労働傷病兵社会問題省の当局者、ベトナム労働総連合会及び全国の省・市の代表が参加した。
セミナーでは、ストライキの解決策についての意見交換がなされたほか、ストライキを行なうための手続きが煩雑でわかりにくいことが山猫ストを招く要因であるとされた。
政府の統計によれば、2003年に発生したストライキは119件(図1)。その7割近くが外資系企業で起きている。その大部分は韓国籍、あるいは台湾国籍の繊維・衣服・製靴産業関連企業である(表1)。ストの原因は、賃金等未払い、社会保険の不備、過重な労働など。
ベトナム労働法典153条第1項では企業設立後6ヶ月以内に組合を設立することを求めているが、実態としては労働組合が存在しない企業が多く2003年12月末時点で組合のある外資系および民間企業はわずか14.6%。組合のない企業で発生したストは違法だが、ストライキの約7割がこれら組合のない企業で発生している。労働・傷病兵・社会問題局(DoLISA)は、違法なストである場合行政が介入する紛争解決が困難になるとして、組合の設立促進を今後の課題としている。
図1:ストライキ件数(事業形態別)
年 | 合計 | 韓国系 | 台湾系 | 香港系 | その他 |
1995 | 28 | 12(42.9) | 6(21.4) | 2(7.1) | 8(28.6) |
1996 | 32 | 10(31.2) | 15(46.9) | 2(6.3) | 5(15.6) |
1997 | 24 | 10(41.7) | 7(29.2) | 2(8.3) | 5(20.8) |
1998 | 30 | 12(40.0) | 10(33.3) | 0(0) | 8(26.7) |
1999 | 38 | 9(23.7) | 20(52.6) | 1(2.6) | 8(21.1) |
2000 | 39 | 14(35.9) | 15(38.5) | 2(5.1) | 8(20.5) |
2001 | 50 | 16(32.0) | 21(40.0) | 0(0) | 14(28.0) |
2002 | 54 | 16(29.6) | 21(38.9) | 0(0) | 17(31.7) |
2003 | 81 | 23(28.4) | 34(42.0) | 0(0) | 24(29.6) |
2004(7月末現在) | 47 | 13(27.6) | 22(46.8) | 2(4.3) | 10(21.3) |
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