見習労働に関する通達:訓練を伴うもののみ許可

カテゴリー:人材育成・職業能力開発

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  • 国別労働トピック:2004年12月

訓練を伴わない見習労働契約は認めない。2004年10月14日通達40号は初めて、企業による訓練義務違反のうち罰則対象になるものの基準を明確にしている。以下、その内容をみてみよう。

義務の不履行

訓練義務の不履行について、労働市場改革に関する2003年9月10日委任立法276号(いわゆるビアジ法)は、見習労働者による資格の獲得を妨げるような使用者の重大な義務違反のみを一般に規定していた。一方、今回の通達40号は、こうした違反を「訓練計画措置および州の規制で規定された措置の定める訓練コースに基づいて判断する」と具体的に述べている。

使用者が義務違反の評価を受けるのは、訓練計画ないし州の規制で定められた訓練量(期間も評価の対象となる)に満たない場合、適切な資格をもった企業指導員の不在の場合または使用者の重大な義務違反を証明するその他の要素がある場合である。

罰則

義務違反の場合について、使用者は、コース終了時に労働者が到達するはずだった技能水準に関する社会保険料と実際に負担した社会保険料との差額をINPS(全国社会保障機関)に支払わなければならない。また、義務違反を犯した使用者は、「同じ主体と同一の資格または職業技能獲得に関する見習労働関係を継続することはできない」。

見習労働の更新

通達は、職業技能開発契約、すなわち、18歳から29歳までの若年者に関する職業資格取得を目的とする見習労働の期間の下限を2年、上限を6年とした上で、具体的な期間の決定については、労働協約に委ねている。また、6年以内であれば、見習労働契約を2度締結することが可能である。この場合、1度目の契約は、15歳から18歳までの未青年に関する教育および職業訓練資格取得を目的とした、教育権利および義務の実現のための契約とされている。旧法(1955年1月19日法律25号〔見習労働に関する規制〕)は、上級資格以外については見習労働契約の更新を否定していたので、この点は新しい制度ということになる。

弾力的高技能訓練コース

高校卒業免状または上級資格コースに関する見習労働について、通達は、「高度に柔軟な規制」を定めている。これは、要するに、使用者団体と労働組合または大学とその他の教育機関との間で締結された協定で「オーダーメードの」訓練コースを定めることが可能という意味である。この種の見習労働契約を締結しうるのは、「契約の目的追及と両立する活動を遂行する限りにおいて」、全ての産業部門に属する使用者である。一方、見習労働者は18歳から29歳で、学業資格保持者でなければならない。

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