米国との間で出稼ぎ移民に対する社会保障協定を締結

カテゴリー:外国人労働者

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  • 国別労働トピック:2004年11月

米国で働く移民に対する社会保障の問題を改善するため、メキシコ・米国間で協定が締結された。

去る6月29日、メキシコと米国は社会保障制度に関する協定に署名した。これによりメキシコ社会保障庁(IMSS)の社会保障制度に加入し、米国及びメキシコ両国で働いた経験のあるメキシコ人労働者は、年金額算定に際して両国での保険料支払い期間を合算できることになった。この協定は9月7日にメキシコ上院に送られ、現在批准に向けて手続中である。批准されれば2005年10月に発効する予定である。

具体的には、メキシコ人労働者が米国内で6四半期以上の期間保険料を支払った場合、米国の社会保障制度によるサービスを享受できる期間を満たしていなくても、米国は当該労働者がメキシコ国内で保険料を支払った期間を加算しなければならない。同様に、米国人労働者がメキシコで52週間以上保険料を支払った場合、メキシコは当該労働者が米国内で保険料を支払った期間を加算しなければならない。米国人労働者は遺児年金を受け取ることもできる。ただし医療保険については、メキシコはメキシコ国内法に基づく保険料支払い期間のみを考慮するとしている。

現在およそ1000万人のメキシコ人が合衆国に住み、その多くが母国に送金している。メキシコ銀行の推計によれば、2004年上半期の送金額は約8億米ドル(注1)に上る。これは昨年の同時期の25%増である。メキシコの6大「移民送出」州(ミコアカン、グアナフアト、ハリスコ、メキシコ、プエブラ、ベラクルス)をはじめとする多くの地方で、出稼ぎ移民からの送金は公的・民間部門ともに大きな収入源となっている。地域の診療所など、インフラの整備などに用いられることもある(注2)。

参考

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