退職給付制度改革をめぐる動き
労働部は9月28日、現行の法定退職金制度と並行して退職年金制度を新たに導入することを柱とする「労働者退職給付保障法案」を確定し、国会に提出することを明らかにした。同法案が国会を通過すれば、2004年7月から施行されることになっている。
同法案の主な内容は次のとおりである。第1に、2004年7月から従業員5人以上の事業所(830万人余)を対象に法定退職金制度と同様の効力を持つ退職年金制度を実施する。現行の法定退職金制度から退職年金制度への切り替えの決定は労使の自治にゆだねるが、税制上の支援策を講じて退職年金制度への切り替えを誘導する。そして2007年1月からは従業員4人以下の事業所や勤続期間1年未満の非正規労働者に対しても退職年金制度を適用する。ただし、4人以下の事業所の事業主負担を勘案し、事業主負担率を現行の8.3%より低く設定した後、段階的に引き上げていく。
第2に、退職年金方式については確定給付型と確定拠出型両方を認める。また転職を繰り返す労働者も退職後年金をもらうことができるよう「個人退職貯蓄口座」を設ける。同口座に一時金を積み立てる場合、年金を受け取るまで課税が留保される。そして退職年金の受給資格は加入期間が10年以上で、55歳を過ぎてから得られる。
労働部は関係省庁に対してこの法案に関する意見を求めたが、早くも産業資源部は「労使関係の改革や労働市場の柔軟性向上に大きな障害になっている現行の法定退職金制度を廃止し、退職年金制度を事業所別に自主的に導入することができるようにすべきである。また退職年金制度を導入する場合、確定拠出型のみに限定し、国民年金制度との統合を図るべきである」と主張し、事業主側の負担軽減を優先する立場を明らかにした。
これに対して、労働部は「労使政委員会でも4人以下の事業所への拡大案を除いた大半の争点について労使は合意したのに、経済関係省庁が退職金制度の全面改革を求めるのは問題である」と反論した。
労働部がまとめた法案の一部修正にとどまるのかそれとも全面改革になるのか、関係省庁間の協議結果が待たれるところである。
2003年12月 韓国の記事一覧
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