第2四半期GDP、4.4%の成長

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  • 国別労働トピック:2003年11月

中央銀行のバンク・ネガラは8月27日、第2四半期(4-6月)の実質国内総生産(GDP)の成長率(速報値)は4.4%であると発表した。第2四半期は重症急性呼吸器症候群(SARS)の影響を最も大きく受け、サービス部門は特に振るわなかったものの、農業、鉱業の両部門の高い伸びによって、全体としては高い成長率が実現された。なお、中銀は4.0%としていた第1四半期の成長率を4.6%に上方修正している。

部門別に見ると、農業が10.4%、鉱業が10.5%と高い成長を遂げ、この両部門が全体のGDPを牽引した形だ。中銀は、外需の拡大に対応して生産が増加し、また1次産品価格が上昇したことが、両部門の高成長に寄与したとの見方を示した。前四半期はそれぞれ3.4%と4.5%であった。

また製造業も6.5%と、前四半期の5.9%よりも高い伸び率を示し、建設業も1.4%と低い伸びながらも前四半期の1.2%をわずかに上回った。

唯一サービス業だけがSARSの影響で前四半期の4.5%を下回り、2.8%にとどまった。

中銀は、SARSの衝撃や不透明な世界環境にもかかわらず、内需刺激を目的とした財政出動や金融緩和措置など先手を打った政策が功を奏し、力強い成長をもたらしたと論評している。マハティール首相はイラク戦争とSARSの経済への影響を阻止するため、5月半ばに総額73億リンギの景気刺激策を発表していた。

これで今年上半期の実質GDP成長率(速報値)は4.5%となり、前年同期の2.6%をかなり上回った。

  2002年 2003年
第2四半期 上半期 第1四半期 第2四半期 上半期
農業 1.4 -1.1 3.4 3.4 7.0
鉱業 -1.6 0.0 4.5 4.5 7.4
製造業 5.5 1.6 5.9 5.9 6.2
建設業 3.4 3.1 1.2 1.2 1.3
サービス業 4.0 4.3 4.5 4.5 3.6
実質GDP 4.0 2.6 4.6 4.4 4.5

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