第3次産業の企業・労働者が増加

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年6月

国家統計局の発表によると、2001年末、第3次産業に属する企業が、約540万単位、労働者は、9380万人に達した。

1 国家統計局の発表

国家統計局は、2003年1月、第2回全国基礎単位調査結果を発表した。今回の結果から、第3次産業に従事する労働者が急速に増加していることが明らかになった。

第3次産業の単位と労働者は、約540万単位、労働者は、9380万人で、1996年末比、81万社、553万人増加した。一方、「世界の工場」として注目されている第2次産業の単位と労働者は、160.9万単位、1億1790万2000人で、1996年末比、7万5000単位、1849万6000人減少した。

国家統計局の調査結果は、新興の私営企業がサービス分野に集中していることを示している。企業数、従業員数、生産規模数などの指標で見ると、2001年末現在、第3次産業の私営企業は、132万3000社に達し、全企業の43.7%を占めた。1996年から2001年末までに新たに154万5000社の企業が生まれたが、私営企業は、61%を占め、1996年比約2倍となった。

私営企業の増加は、大量の雇用機会を提供した。1996年から2001年にかけて私営企業の労働者は約3倍に増加し、年平均増加率は31.6%を記録した。私営企業で就労する労働者は、3170万人に達し、全体の約20%を占めた。

今回の統計で、私営企業の発展は、サービス業に集中していることを示している。最近では、弁護士、会計士、市場調査業などの分野が急速に発展し、こうした分野の年平均増加率は、115.3%にも達した。数年前に急増した、不動産、観光業、コンピューター関連もそれぞれ年平均70%前後増加している。

2 首都北京市の第3次産業の急増

今回の調査で、地域的に注意を引いたのが首都北京市の第3次産業の急速な発展である。北京市の経済成長に対する第3次産業の貢献率は、66%に達している。このため、下崗労働者、失業者は、再就職先を第3次産業に求めている。

第3次産業の中で成長している分野は、ここ数年話題となっている情報通信、コンピューターのソフト開発の他に、保健・医療サービス、娯楽・スポーツ産業、家政婦業、地域サービス、飲食業が含まれる。こうした新しい産業には、必ずしも専門的研修を必要としない職種も多い。

第3次産業は、相対的に賃金が高く、北京市の賃金水準を押し上げている。2002年、市区の1人当りの年収は、前年比15.5%の増加(1万2454元)で、これは、郊外の農村住民の年収の増加率12.3%より高い数値となった。

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