倒産・解雇件数、前年比で約3割増加

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年5月

アジア域内では緩やかな経済回復傾向がみられる一方で、インドネシア国内の2002年の倒産企業数及び解雇者数は、前年比で約3割増加し、いまだ経済及び労働市場の回復傾向は見られない。

2002年の解雇者数、13万人以上

労働移住省産業関係育成局の報告によると、2002年の解雇件数は4486件、解雇者数は13万5421人にのぼり、前年と比べてそれぞれ18%、34%増加していることが明らかとなった。

労使紛争の仲介を仲裁機関に依頼した件数も増えており、地方労働紛争解決委員会(P4D)に仲介を依頼した件数は前年比7.6%増の1608件、中央労働紛争解決委員会(P4P)へは前年比24%増の2878件となっている。

ちなみに2002年の完全失業者数は910万人を超え、不完全就業者を含めると労働力人口の半数である4000万人を越えているといわれている。

企業の倒産件数も前年比22%増加

中央統計局(BPS)によると、2002年の製造業における企業倒産数が835件、前年比で22%増加していることが分かった。国内の製造業の企業数は2万1000社。企業規模縮小を行った企業も前年比41%増の767社にのぼり、その結果失業した従業員が13万人にのぼっている。

産業別の倒産件数では、労働集約な産業である繊維・テキスタイル産業での倒産が最も多く、次いで食品・飲料・タバコ産業、木材業となっている(下表参照)。

国家経済回復委員会(KPEN)のソフヤン代表は、政府による製造業への支援がなければ、2004年には企業の倒産が更に増加するだろうと警告している。政府関係機関の予測では、2004年の経済成長率は4%前後と見られているが、十分な雇用創出を期待できる経済成長である6%という数字は達成困難であると見られている。

表:企業の倒産件数の規模縮小件数(単位:件)
  倒産 規模縮小
分野 2001年 2002年 2001年 2002年
食品・飲料・タバコ 166 215 139 129
繊維、テキスタイル、皮革 151 242 111 154
木材、竹材、藤材 122 143 89 140
紙、印刷、出版 15 27 10 10
化学、ゴム、プラスチック 73 67 19 27
鉱業 27 50 31 257
貴金属 74 66 35 27
その他 22 21 13 23

出版:中央統計局(BPS)

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