ハンガリー/労働市場のおける言語知識の重要性

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年4月

35の企業について行った最近の調査によれば、その従業員の外国語会話能力はかなり高い。別の、15歳から24歳の若者を対象とした中央統計局による大規模調査では、外国語を知らない者が半分未満となっている。彼らのうち職についている若者で言語能力改善に取り組んでいる者は少ない。25~28歳の8.8%、30~39歳の3.6%が外国語を学んでいるに過ぎない。

35の調査対象企業は、次の分野で営業している。

  1. 小売及びサービス(5%)
  2. 金融(5%)
  3. 軽工業(5%)

企業規模は様々である。その半数以上(53%)が、10億ハンガリーフォリント以下の売上であり(1フォリント=0.5円)、従業員数は50人未満である。5%は、売上が300億ハンガリーフォリントであり、従業員数は1000人を超える。

調査結果は、ハンガリー企業における教育に関する他の調査と一致している。外国企業が全部又は一部出資する会社では、従業員の外国語知識に注目している。調査対象企業のうちハンガリー系企業および私企業・国営(その他公営)企業は40%のみであった。

外国語知識がないとトップになるチャンスがないということは特筆すべきである。専門家のうち6%、事務員のうち68%、そして販売員のグループが、一つ以上の外国語の知識をもつことが重要とされている。しかし、企業の現実は、調査対象者の意見とかなり異なる。最高経営陣のうち10分の1が一つの外国語をマスターしているに過ぎず、2分の1が二つの言語の知識を有する。事務員の50%が外国語を理解する。販売員の場合は最も優れており、そのほぼ3分の2が一つ以上の外国語を話すことが出来る。専門家(技術者)の事情はもっとも悪く、外国語を話せるのは5分の2(3%)未満である。

010の企業のうち4社以上が外国語コースを設置し、教育予算の5分の1が外国語研修に使われている。これらの企業における外国語研修への参加率は各従業員グループについて半数以上である。外国語研修への参加率は、管理職が80%、最高経営陣が60%以上、事務員がほぼ4分の3である。ほとんどのコースが集団教育であるが、個別学習も重要である。

企業の語学学校の選択基準については、先ず教育の質、次に価格そして個人に合わせた教育が重要とされている。調査対象企業によれば、外国語学習のもっとも効率的な形態は留学である。留学を実施しないところでは、外国語学習コースを支持している。次の表は、外国語知識に関係する問題をまとめている。

調査対象企業の外国語関連問題
外国語関連問題
文法 22
語彙 39
特別な能力の欠如 44
流暢さ、言語能力 6
作文力 33
ヒアリング 1
その他 11

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