社会保障基金の被保健者数、前年比16%増に

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2003年2月

2002年から社会保険基金の適用対象枠が、従業員10名以上から1名以上の事業所へと改正されたことに伴い、同基金への加入者数が前年比16%の増加となったことがタイ銀行の発表で明らかとなった。

タイ最大の基金

社会保障基金の被保険者数は2002年10月の数字で690万人。労働力人口が約3000万人のうち、農業人口が約4割、1200万人であることを考慮に入れると、非農業労働人口の約半数弱が加盟していることになる。

分野別では、農業部門が10.4%と大幅な伸びを示したのに対して、非農業部門は1.1%の伸びにとどまった。これらの結果から、農業分野(プランテーション、精米業、精糖業など)の事業主の多くが10人以下の小規模経営を行っていることが分かる。

非農業部門の中で、加入者数が増加したのは、輸送業(13.7%)、建設業(11.3%)などであった。製造業は1.8%の伸びにとどまった。

失業率は2%台

国家統計局の発表による2002年10月の失業率は2%となっており、農繁期とはいえ、経済危機後確実に雇用情勢は改善している傾向がみられる。最近のタイの労働市場では若年者の失業が問題化しているが、特に、中卒以下の労働者の失業者数が前年同期比で46.6%減少したことが大きく貢献しているようだ。これらの雇用情勢も社会保障基金の加入者を増加させる一要因になっているとみられる。

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