のりなどの養殖業で、20万人の雇用創出が可能

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年12月

アロヨ政権閣内に設けられた雇用創出委員会(OMJ)は、北ミンダナオおよびカラガ地域を対象に、のり養殖業の育成プログラムを実行する。OMJは、このプラグラムが成功すれば、約5万世帯、20万人の雇用創出が可能だと考えている。

1 概況

多くの島と海に囲まれたフィリピンでは、最近のり養殖業が重要視されてきた。

のり養殖業育成推進者の一人アラン・ウイ氏は、2002年10月、約1500世帯、6000人の雇用創出効果があると考えられる、最新の技術を導入したのり養殖場の稼働に乗り出す見込みである。ウイ氏の見解によれば、のり養殖業は、雇用創出のみならず、農村地帯の所得水準の向上にもつながりうるという。

ウイ氏の説明によれば、典型的なのり養殖業は四人家族から開始できる。稼働を開始するためには、2500キロの種のりが必要で、30日経過すると、元の2500キロののりは、通常5000キロ、条件次第では、10,000キロまで増えることもあるという。農家は養殖用に2500キロの種のりを確保し、それ以外ののりは、ウイ氏のようなのり加工業者にのりを出荷し現金収入を得ることができる。

2 モデルケース

のり養殖業の育成プログラムは、すでに、ラプラプ島にあるバランガイガリシア漁村で実行され、好結果を出している。1995年、バランガイガリシア漁村に、のり養殖業が紹介された。それ以前、漁村の人々は、違法とされていたダイナマイト漁法で生計を立てており、沖合いではダイナマイトの爆発音が日常的にあった。同地域に着目した小事業育成委員会(BSBI)は、ダイナマイト漁法の危険性とのり養殖業の導入を漁村の人々に説得し、漁民の協力をとりつけた。その後、養殖業は、台風や、海水汚染により幾度か頓挫しかけたが、現在では、漁村に根付いており、住民の所得水準の向上とダイナマイト漁法の撤廃に貢献している。

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