熟練外国人労働者の就労期限を延長

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年12月

政府は、電子産業など熟練労働力が不足している部門の要請に応えて、熟練外国人労働者の就労期限を5年延長する。正規の就労期限と合わせると最大で10年間滞在できることになる。また、マハティール首相は、マレーシアの発展に寄与した外国人に永住権を付与する計画を進めていることを明らかにした。

就労期限を延長

現在、外国人労働者の就労期限は5年間。今回の決定の理由についてフォン人的資源相は、5年間の就労期限では、この間に身につけた経験・技能を活かしきれず、当該産業にとって損失となるうえ、マレーシアが諸外国から「職業訓練地」として位置づけられかねないと述べている。

対象者は、国家職業訓練審議会(NVTC)から技能認定を受けた外国人労働者で、使用者は認定申請を正規の就業期限が切れる6カ月前までに提出しなければならない。

国内に熟練外国人労働者は10万人以上いると見られ、フォン大臣によるとすでに1万7000件の申請が来ているという。

永住権を付与

マハティール首相は10月10日、セミナー「韓国に学べ」後の記者会見で、マレーシアの発展に貢献した外国人、とくに専門家や技術者に対して、名誉市民権(=永住権)を付与する計画があることを明らかにした。

明らかになったきっかけは、首相がセミナーでの質疑に答えた際であった。ある韓国人ビジネスマンが、マレーシアでの定住を望む韓国人は多いが、政府は外国人に永住権を付与する用意があるのかと問われて首相は、どのような貢献をした外国人に永住権を与えるべきかを政府は検討すると答えた。

その後の記者会見で首相は、政府としては高度な専門性と技能を備えた外国人にマレーシアで働いて経済発展に寄与してもらいたく、市民権の付与はそうした貢献を認める一つの方法になりうる、との見方を示した。対象者は経済分野に限定しない。また人数に制限を設けることも現時点では考えていない。

導入時期については首相は、現在検討中であると述べるにとどまった。

政府は現在、「マレーシア、私の第二の母国」プログラムのもとで、選ばれた外国人に「社会訪問パス」を付与してマレーシア滞在を認めているが、同パスは永住権は認めていない。ただ、国内に投資した外国人実業家にだけは永住権を付与している。

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