学歴別・事業所規模別賃金格差の拡大傾向

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年11月

労働部は9月1日、常用労働者5人以上の事業所5400ヵ所を対象に実施した賃金構造(2001年6月規準、基本給及び時間外手当のみ)の調査結果を発表した。賃金構造の主な特徴を拾ってみると、次の通りである。

まず、高卒の平均賃金を100とした場合、大卒のそれは1990年の174.8から1995年には146.8へと下がった後、2000年に150.9、2001年には152.3へと再び上昇しており、学歴別賃金格差が拡大傾向にある。特に、高卒で勤続年数3-4年の平均賃金を100とした場合、大卒の初任給は1990年の120.2から1995年に110.2、2000年には109.1へと下がる傾向にあったが、2001年には117.3へと大幅な上昇に転じており、同年代の学歴別賃金格差は再び急速に広がっている。この背景には、大卒以上のうち、高賃金の「専門家」職種への新規就職者の割合が2000年の25.6%から2001年には28.7%へと増えたことが影響している。

ちなみに、学歴別分布をみると、高卒(46.9%)、大卒以上(25.2%)、専門大卒(日本の短大と専門学校の混合型、14.5%)、中卒以下(13.4%)などの順となっている。そのうち、大卒以上の高学歴者の割合は1990年の14.4%から1995年に19.4%、2000年に24.0%、2001年には25.2%へと増え続けている。

第ニに、勤続年数1年未満の労働者の平均賃金を100とした場合、キャリア10年の労働者のそれは1990年の217.6から1995年に193.4、2000年に191.6、2001年には187.2へと下がり続けており、年功の影響がだんだん減少していることがうかがえる。

第三に、10-29人規模の事業所の平均賃金を100とした場合、500人以上の事業所のそれは、1990年の125.0から1995年に116.1へと大幅に下がった後、2000年に126.5、2001年には130.6へと再び上昇しており、事業所規模別賃金格差が拡大傾向にあることがうかがえる。

第四に、賃金階層別分布をみると、月300万ウオン以上の高賃金層は1995年の1.7%から、2000年に8.2%、2001年には10.4%へと上昇傾向にあるのに対して、月50万ウオン未満の最低賃金層は1995年の7.1%から2000年に1.8%、2001年には1.2%へと下がり続けている。

第五に、OECD規準の低賃金労働者(中間層の賃金の3分の2未満)の割合は1990年の21.9%から1995年に23.1%、2000年に25.1%へと上昇傾向にあったが、2001年には24.3%へと下若干下がっている。この背景には2000年9月から2001年8月にかけて適用される最低賃金の大幅な引き上げが影響しているとみられている。

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