週末の労働と家族環境に関する調査結果

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年11月

欧州統計局(Eurostat)は週末の労働に焦点を当てた調査分析結果を公表した。この調査は、「2000年EU労働力調査」結果を分析したものである。

調査分析結果

これによると、2000年にEU全体で見て女性被用者の約25%、男性被用者の20%強が土曜日に常に働いていた。「土曜日に時々働く者」をあわせると、これらの数値は女性40%強、男性45%強にまで上昇する。同様に日曜日に常に働いていたのは男性女性とも全体の約10%を占めており、「日曜日に時々働く者」をあわせたこれらの数値は女性約23%、男性約26%に達している。1992年の調査結果と比較すると、いずれの数値も上昇しているが、特に日曜日の数値の上昇が目立っている。

常に週末労働を行っている割合は男性よりも女性の方が高く、この傾向は約3分の2の加盟国で確認されている。一方で週末労働を時々行う割合は男性の方が高くなる傾向にある。以上のような全体的な傾向は指摘できるものの、状況は加盟各国によって異なっている。特にベルギーは常に週末労働を行っている者の割合が他国に比べかなり低く(土曜日が5%、日曜日が2%弱)、男女間の格差も少ないという特徴が見られる。

産業別で見ると、週末労働を行う者の割合が最も高かったのはホテル・レストラン業であった。同産業で常に土曜日働いている者は女性の半数以上、男性の3分の2以上を占めている。流通、保健、輸送等の各産業でもその割合が高くなっている。日曜日に常に働く者の割合でもホテル・レストラン業が最も高く、次に保健業となっている。

家族的責任を負っている労働者については、6歳未満の子供のいる20歳から49歳の女性は、子供のいない女性に比べて週末労働をしない傾向にあることが分かった。男性についてはこうした明確な差違は見られなかった。ただ女性の場合でも、土曜日の労働には両者間で差違が確認されたが、日曜日についてはそれほど大きな違いはなかった。

雇用形態別では、子供の有無にかかわらずパートタイムで働く女性はフルタイムで働く女性よりも週末労働をしない傾向にあることが分かった。

注)週末労働を「常に」行うとは、調査実施日に先立つ4週間に少なくとも2度の週末労働を行ったこと、「時々」行うとは4週間に1度週末労働を行ったことを指す。

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