製造業外国人労働者に関する審査制度の変更と新雇用ガイドラインが発表される
ラフィダ通産相は7月12日、製造業における外国人単純労働者の新たな審査体制と新ガイドラインを発表した。以前のガイドラインが不明確・不透明であったうえ雇用審査に時間がかかりすぎるとの製造業界からの不満に応じたものだが、内容的には外国人労働者の雇用拡大を容認するものであるだけに、労組は社会問題の見地から再考を求めている。
審査手続きを通産省に一元化
発表によると、製造業(家具製造業を除く)における外国人単純労働者の雇用審査については今後、通産省のもとに新設された外国人労働者委員会が一元的に管理することになる。同委員会は、内務省、入国管理局、人的資源省労働力局、同労働局、マレーシア工業開発庁(MIDA)、マレーシア中小企業開発公社(SMIDEC)の各代表から構成される。従来は、入国管理局や人的資源省など政府関連機関が担当項目ごとに審査を行っていた。ただし、新設された外国人労働者委員会の管轄は半島部に立地する製造業のみ。
申請から審査が終了するまでに従来では5~8週間かかっていたが、新体制の下では「14営業日以内」に短縮するとラフィダ通産相は述べている。
雇用人数は制限しない
また、同時に発表された新ガイドラインによれば、外国人労働者の雇用人数には上限を設けないことになった。ただし、操業に必要な外国人労働者数について詳細を報告しなければならない。
そのほかの規定として、(1)雇用期間は原則3年で、1年ごとの更新で最長2年の延長が可能、(2)雇用契約終了後、帰国準備期間として3カ月の滞在を認める、(3)全国職業訓練委員会(NVTC)から技能資格を認定された労働者については、5年以上の雇用を認める――などが柱。
外国人労働者の雇用申請に必要な書類は、(1)過去6カ月の輸出関税申告書、(2)最新の従業員積立基金(EPF)あるいは社会保障機関(Socso)の明細書、(3)コンサルタント会社などによる審査済みの申請書(様式24と49)、(4)法人所得税明細書、(5)法人登記証書、(6)製造業免許証-などとなっている。
労組は困惑、再考を要求
今回の通産省の発表についてマレーシア労働組合会議(MTUC)は「困惑している」とコメントしている。外国人労働者委員会が最近、包括的な調査が終了するでは外国人労働者の流入を凍結するとの声明を発表したばかりだからである。ランパック委員長は、外国人労働者の流入が社会問題や犯罪につながってきたからこそ、政府は一連の規制強化策をとってきたのではなかったかと、今回の措置を疑問視するとともに、見直すよう政府に求めた。
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