失業保障制度改革に反対するゼネスト

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年9月

今回の失業保障制度改革に対し、労働者総同盟(UGT)と労働者委員会(CC.OO.)の二大労組をはじめとするスペインのほぼすべての労組は、6月20日にゼネストをもって答えた。スト召集に応じなかったのは、公務員組合やパイロット組合などごく一部に限られた。なおバスク州では20日のゼネストとは別に、バスク民族主義労組が、制度改革への抗議に加え、いつものことながら「バスク州独自の労使関係の枠組み」という要求を掲げて、19日にもストを行った。

76年にスペインで民主主義への移行が始まって以来、ゼネストが行われるのは今回が初めてではない。85年にはCC.OO.が今回と同じ6月20日に当時の社労党政権による公的年金制度削減に反対してゼネストを召集した。また88年12月14日には、労働市場柔軟化政策に対し、CC.OO.とUGTがともにゼネストを行っている。更に92年5月28日と94年1月27日にも、同じ理由でCC.OO.とUGTによるゼネストが召集された。

今回のゼネスト実施状況については、数字の出所によって全く正反対の結果が出ている。政府はゼネストを行った労働者は全体の16%に過ぎず、従がって失敗に終わったとしている。これに対し労組は、労働者の85%がゼネストに参加し、成功をおさめたとしている。

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