給料は好転しても不均衡是正は困難

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

ブラジルの記事一覧

  • 国別労働トピック:2002年9月

92年にリオで開かれた国際サミット会議で、10年間の永続的社会・経済・環境発展計画を実施する約束を結んでいるために、ブラジル地理統計資料院(IBGE)は、02年8月に南アのヨハネスブルグ出開催されるサミットに向けた92~99年に達成した発展計画実績をまとめた。50項目からなる報告書には犯罪の増加、環境破壊の進行、国民所得の大きな較差維持と言った問題を指摘する一方、社会面では好転した部分も指摘し、資料院は犯罪増加と社会不均衡を最大の課題として指摘している。給料では好転しても、社会格差は更に悪化し、低額所得層は教育、政府サービスへのアクセスなど差別を受けていると数字で説明しており、現実をそのまま表した報告書となっている。

10歳以上の経済活動人口の平均収入は92~99年にかけて現行通貨価値に修正すると333レアルから449レアルへ35%増加した。92~2000年にかけて1人あたり所得は5.522レアルから6.387レアルへ増加した。しかし所得配分を表すGINI指数が0.571から0.557へと、ほとんど好転していない(ゼロに近いほど所得配分良好、1に近いほど最悪の配分を表す)。所得はいつも指摘されている通り、男女差、人種差が大きい。99年に男子の平均所得は月間534レアルに対し女性は324レアルであった。人種別では同期に白人の平均は670レアル、褐色人種は329レアル、黒人は314レアルであったなどのデータを挙げている。

2002年9月 ブラジルの記事一覧

関連情報