労使交渉を知らない
政府が労働市場に対する介入を軽減して、労働者の基本的既得権は維持しながら、労使交渉による同意を総合労働法の規定以上に有効とする法案を国会に提出したところ、労組自体が賛否両論に別れて対立し、労働裁判所の判事の意見も統一を欠いているが、これに付いて労働最高裁判所のフランシスコ・ファウスト長官は「ブラジルは労使自由交渉の文化を持たない。ブラジルは欧州の影響を多く受けており、自由交渉は可能だが常に労働者の権利を有利にするセーフガードを事前に設定しておくことが必要だ」と評価し、長官自体は現在の総合労働法が雇用を規定していると判断し、改正に反対している。しかし中央労組CUTが労働法改正案を「政府は労働者の既得権を奪おうとしている」と発表していることは、法案を間違って解釈している」と注意した。
2002年8月 ブラジルの記事一覧
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