200労組、EPF投資委員会に不信任決議
マレーシア労働組合会議(MTUC)傘下の約200の労組が4月18日、従業員積立基金(EPF)の2001年配当率が過去39年間で最低の水準になったことから、同投資委員会に対し不信任決議を採択した。これに先立ちMTUCの幹部も、7名の投資委員全員は即刻辞職すべきとの立場を全会一致で採択した。
EPFは日本の厚生年金制度に相当するもので、従業員の月給の21~23%を労使が折半して毎月拠出している。積立金はマレーシア政府債、貸付・債券、株式などで運用され、毎年の配当率は運用状況に主に規定されるが、1976~96年までは7%以上の高配当を維持していた(最高は83~87年の8.5%)。
ところが97、98年に6.7%、99年に6.84%、2000年に6%と配当率は低下し続け、この間、MTUCはEPFの投資計画や運営能力に対し不満を募らせていた。今年の3月に2001年の配当率が過去39年間で最低の5%になることが発表されると(本誌5月号参照)、MTUCは同月に開催された年次大会でEPFの改革を求めることを決議した。
2001年の配当率が低水準であったことに加えて、MTUCが問題にしているのは、EPF法に反して投資委員会は理事会に対して説明責任を果たしておらず、また理事会側も説明を求める権限を行使していないことである。投資委員会は透明性を著しく欠いているとして、MTUCのラジャセカラン書記長は、EPFの積立金が投資委員の私的な利害に利用されている可能性にまで言及している。
MTUCは4月上旬に幹部会を開き、2001年の配当率が低水準になったことに対する投資委員会の責任として、7名の委員全員の辞職を求める立場を全会一致で採択、18日にはMTUC傘下の200の労組が投資委員会に対する不信任決議を採択する事態に至った。
EPF投資委員は蔵相によって任命されるが、今回の動きに対し政府は、投資委員を辞職させるつもりはないとの意向を表明しているものの、低配当率は積年の不満であっただけに、MTUCが容易に引き下がる様子は見られない。
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