ケララ州、経済特別区に中国モデルの導入を計画

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年3月

ケララ州政府は、4つの港湾地域に中国方式の経済特別区制度を導入する。また、港湾地域のエルーラ市とコチ市の間に空路を開発することにより一層の経済効果を狙っている。

4つの開発地域と政策内容

経済特別区は、ジラバナンザプラン、コチ、カンジコード、コジコドの4地域に建設される。経済特別区とそれに付随する空路開発地域は、インフラが整備され様々な優遇措置の恩恵を受ける。

新しい経済特別区の政策は、経済発展に成功した中国の沿岸地域の経済特別区をモデルにしている。4つの経済特別区はいずれも余剰労働力の多いところに計画され、インフラの整備とネットワーク通信網の建設が、重要な要素となっている。

経済特別区は、民間企業とケララ州インフラ開発公社・ケララ州産業開発公社により開発される。経済特別区の企業は、労働争議に関し一定の優遇措置を受ける。計画は、サービス産業でのベンチャー型事業を促進することを強調し、IT、マイクロエレクトロニクス、バイオテクノロジー、通信事業、医療・医薬品事業の先端事業とこれらの分野に対する教育と職業訓練を重視している。また、最先端医療技術開発と総合的健康サービス機関を設立する。

ケララ州政府は、バイオテクノロジー産業について、開発を促進しなければならない重要な分野と特徴づけている。州政府は、この分野に多様な技術を備えた人材を大量に養成し、経済特別区に集中させることにより、ケララ州をバイオテクノロジーの世界的な中心地にしようと計画している。

進出企業に対する優遇措置

ケララ州政府は、多くの投資をもたらすために様々な奨励政策を進出企業に与える予定である。

重点産業のバイオテクノロジー産業、IT産業、100%輸出型企業、食料生産・食品加工産業、鉱山、縫製産業の企業は、固定資本に対する投資に対し15%、最高150万ルピーの投資助成金を申請できる。非重点産業の企業では、10%の投資助成金が申請できる。また、開発が遅れているイドッキ、ワヤナド地域等に進出する企業には、固定資本に対し25%の投資助成金が支給され、公害制御装置への投資には、固定資本に対し15%、最高50万ルピーの特別助成金が支給される。

特定の最先端事業に向かって限定された期間で調査開発をしている企業には、特別補助金が与えられ、中央政府の科学技術省の技術指導を受けることが出来る。

ケララ州政府は、5億ルピーを超える大規模な資本投資には、非課税の優遇措置を含む特別優遇制度を検討している。様々なインフラ整備事業に対しても、特別な奨励計画が、海外からの直接投資に対応できるよう検討されている。

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