労組、国有企業の離職者支援について議論
11月中旬に開催されたベトナム労働総同盟(VGCL)代表者の会合では、国有企業改革の過程で離職する労働者に対し企業がどのような支援をすべきか議論したが、合意には達しなかった。
企業が離職者支援のための積立金を設置し、積立金が不足している場合には営業利益の一部を充当したり、国家が半額程度を補助するように求める声があった。しかし、この意見に対し、ベトナム繊維衣料公社のグエン・ズアン・コン労働組合委員長は、改革対象の大部分の国有企業が利益を上げていないので、企業が離職者への手当を増額した場合には競争力がさらに失われると反対した。また、同氏は、国家が失業者への手当の50%を負担しても、企業による残り50%の負担を期待できないとした。
政府は、これまでの離職時の手当に加え、全ての解雇者が500万ドン(330ドル)を企業から受け取る案を用意している。この案についても意見が分かれ、運輸部門の労働組合副委員長は「労働者の職務内容や勤続年数が違うにもかかわらず、全ての労働者が一律の金額を受け取るのは公平ではない。5年未満の勤続者には500万ドン、20年から30年間勤続した労働者には1000万ドンを支払うべきだ」と主張した。
政府案は、1~3年の労働契約を締結している労働者には手当が支払われないとしている。これに対し、短期の契約で働いていても、長期間勤続している場合には手当が支払われるべきだと経済・社会政策担当のタイ・グエン省労組代表が主張した。この背景には、3年契約で雇用された後、国有企業が正式な契約更新を行わないまま長期勤続している者などがおり、契約内容と実質的な雇用条件とが一致していない例が多いという事情がある。
国有企業が必要以上に労働者を解雇しないようにチェックする必要があるとの認識から、ある労組代表は、労働者の権利を守るために国有企業の改革委員会に労組代表が任命されるべきだと主張した。
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