起業は鈍化したものの安定した雇用者数

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年2月

労働市場に関してスウェーデン紙が最近大きく取り上げているのは、米国での同時多発テロ事件の影響による国際経済の先行き不安である。しかし実際にどのような結果を生むかについては、意見は様々である。これまでのところ、雇用統計は依然としてまずまずの安定を示しているが、エリクソンなどの企業は既にかなりの人員削減を発表している。

労働市場庁(AMS)によれば、2001年1月1日以降スウェーデンでは、これまでに約4万4000人が解雇通告を受け取り、その内の2万6000人が工業部門で働いていた。他の部門の企業は、より楽観的な見方をしており、2002年初めに景気は再び上昇し始めると期待している。

スウェーデン労働組合総同盟(LO)の前主席エコノミストである、AMSの新長官P-Oエディン氏は、製造業の非熟練者雇用を他の国々に奪われつつあるのはスウェーデンにとって良いことだと主張して、組合の元の同僚たちを驚かせた。熟練を要する職務の拡大に向けた構造的変革が支援されるべきであり、これこそが将来にわたり、真の賃 金上昇をもたらす唯一の道であるとエディン長官は語った。

LOのワンヤ・ルンドビ-ウェディン委員長は、エディン長官のこうした主張は、実はまさにLOの伝統的方針であると記者団に語って、長官を支持した。

一方、「仕事と社会」組織によれば、創業企業数は減少している。2000年1月から8月の間に創業した企業は約4万社であったが、2001年1月から8月までに創業した企業は約3万2000社に過ぎず、18%減少した。地域的にも大きな差が見られる。現在、スウェーデン国内の企業総数は、41万社で1993年と同数である。企業数が最高であったのは、43万社を記録した1995年であった。

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