欧州議会、同一価値労働同一賃金、及び職場におけるいじめに関する二つの決議を採択

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2002年1月

欧州議会は2001年9月に、男女間の同一価値労働同一賃金と職場におけるいじめに関する両決議を採択した。

まず、「男女間の同一価値労働同一賃金に関する決議」では、この分野のEUレベルでの取り組みを評価しながらも、依然としてEUにおける男女間の賃金格差が28%もあることが指摘されている(この数値は、年齢や訓練、職種といった構造的差異を考慮した場合、15%まで低下するが)。その上で、同決議はEUレベルと加盟各国レベルでの改善の努力が必要であると主張している。

決議の中で欧州議会は加盟各国に対し以下の要請を行っている。すなわち、(1)男女間賃金格差の正確な状況を把握し、性に中立的な職務評価を作成する等の改善の努力を行う、(2)個別の使用者に毎年職場における平等に関する報告書を作成するよう奨励し、さらに労使が男女間の賃金格差問題を協議事項にするよう促す―である。

欧州委員会は、加盟各国の取り組みを審査・検討する役割を担うことになる。加えて、欧州委員会とソーシャル・パートナーに対しては、賃金格差縮小に関する戦略を練り上げるよう求められている。

次に、「職場におけるいじめ(moral harassmentあるいはbullying)に関する決議」は、近年問題が深刻化しているとして、まず加盟各国に対し具体策をとるよう求めている。次に欧州委員会に対しては、安全衛生枠組み指令の見直し等やこの問題に関するグリーンペーパーを公刊するよう要請している。

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